今年最悪の出来事
年末なので、今年最も印象に残っている出来事を振り返りたいと思います。やはり、私にとって1番印象に残っている出来事は今年2月にテキサスを襲った未曾有の大寒波です。
私の住むテキサスのオースティンは、緯度的には鹿児島県の屋久島と同じぐらいです。基本的には、年中を通じて日本で私が住んでいる兵庫県より暖かいです。冬でもお天気良くて風がなければ半袖で過ごせる日も多いです。寒い日でもコートが必要になる日は滅多にありません。8割がた、長袖シャツにパーカーを羽織るって感じです。そんなオースティンに今年の2月に大寒波が襲いました。
今でもはっきりと覚えていますが、この寒波が襲う直前に天気予報が言ってたのは、「最高気温マイナス6度、最低気温マイナス14度」です。もうデイアフタートゥモローの世界やんけ…と思いましたよ。
今、Austinの過去130 年間の各年最低気温ランキングを調べてみるとこの年の寒波の日は6F(=マイナス14度)で7位にランクインしています。10位も同じ寒波の日ですね。
大寒波
このクラスの寒波はテキサスでも相当まれなことみたいで、その時、テキサス州知事は、災害宣言(disaster declaration)および連邦緊急事態宣言(Federal Emergency Declaration)を出しました。
もともと積雪を想定したインフラになっていないので、まず積雪により送電網がダウンしました。至る所で大規模停電が発生しました。次に、凍結により至る所で、水道管の破裂が起こりました。私の住むアパートは、見事に両方の影響を受け、3日間の停電と4、5日の断水の目に遭いました。
停電、断水の間、外はマイナス10度以下。もともとが温暖な気候なので、部屋には備え付けのエアコン以外、暖房器具は何もありません。まぁ、あっても電気を使うものは使えないわけですが。部屋の温度は一日当たり5度づつ低下していきました。車で脱出しようにも、私の車では到底走れないような積雪量です。部屋の温度が10度まで下がり、「いよいよ明日も電気が復旧しなければ、避難所に行かないと死んでまうな」というところまできてました。
水道管の破裂
水道管の破裂も起こりました。日が沈み暗くなるとすることがないので、早めに就寝していると、夜中遠くの方から水の音が聞こえてきます。「えっ、何?」と思って恐る恐る部屋のドアを開けました。
そしたら、私の部屋から数メートル離れた廊下の天井から水がドバドバ落ちてきてました。水道管が破裂したのです。停電してるので、真っ暗闇の中、数メートル先で滝のように水が落ちる光景を目の当たりにして、愕然としました。膝から崩れ落ちそうになりました。
「明日の朝には、私の部屋はスケートリンクになってるのか…」と思うと、もう早く日本に帰りたいと心底思いました。私の部屋の足元まで水が迫ってきましたが、間一髪、部屋の中に流入する前に誰かが水道栓を閉めてくれたようで、スケートリンクにはならずに済みました。
食べ物と水
食べ物については、一人暮らしということもあり、缶詰をたくさん持ってたので、そんなに困らずに済みました。水は飲料水はたっぷり持っていたのですが、生活用水に困りました。
トイレの水も流れなかったので、ポリバケツに雪を詰めて水にして使いました。日本でもやったことないのに、テキサスでバケツに雪を詰める作業をするなんて夢にも思ってなかったです。
復旧
結局、停電を3日間、断水を4、5日間経験しました。一番辛かったのは寒さです。ほんとに命の危険を感じました。「私はテキサスで凍死すんのか?」と真剣に思い始めた頃に、まず電気が復旧しました。部屋の水はもうしばらくかかりましたが、アパートの共用スペースの水道がまず復旧したため、なんとかそれでしのげました。
最後に
せっかく海外に住んでいるので、いろんなことを経験したいな、という思いはあるのですが、こういう災害系の経験だけは勘弁して欲しいです。今年の冬は、何もなく過ごせればいいのですが…
すごい辛い状況なのに、氷と雪の世界ってどこか魅力的なんですよね。ここに載せている写真は、体を冷やしたくないから、外には出かけたくなかったのですが、その魅力に負けて出歩いて撮った写真です。
それでは、またー
▼2023年にも寒波が襲ったけど、これに比べれば全然余裕▼