はじめに
以下の記事で、私が出張先でプレッツェルを好きになり、住んでいるAustinの街で最高のプレッツェルを探し求めているお話を書きました。今回は、それの続編かつ完結編です。
▼プレッツェル三部作:一作目▼
▼プレッツェル三部作:二作目▼
未だ至高のプレッツェルが見つかったわけではないですが、今回のレポートで一旦プレッツェルシリーズ終わろうと思います。三作目なので、三部作完結編ということにしときます。
こういうこと言うと、「プレッツェル好きちゃうんか⁈」と言われそうですが、正直、週末ごとにプレッツェルを食べる生活に、少々飽きてきたのです。誰に強要されてたわけでもないんですけどね。
でも、今日をもって私はプレッツェルハンターの称号を返上し、普通のおじさんに戻ります。(そして、プレッツェルをそっとテーブルに置く)
Easy Tiger - The Linc
Austinに3軒あるEasy Tiger、そのうちの1軒に行ってきました。Easy Tigerは焼きたてパン屋さん兼ビアガーデンという形態のバーです。Easy tigerは英語スラングで「落ち着いて」っていう意味です。
日本じゃ、パンとビール推しのレストランって見たことないと思います。そんな習慣がそもそもないってことと、日本はビールの主流がラガーなので、パンとは相性が悪いです。こちらのマイクロブリュワリーが提供するビールはエールが主流です。エールとパンは確かに相性いいと思います。
そして、このバーにもプレッツェルがあると言うことを知って行ってきました。プレッツェル以外も食べたかったのですが、メニュー名が「Giant Pretzel」だったので、それだけにしました。
ここのは外パリでしたが、中はやや密な感じの生地でした。ディップは3種類から選びますが、これはマスタードとビアチーズです。ビアチーズは美味しかったです。プレッツェルももちろん美味しかったのですが、このサイズはやめて欲しいです。プレッツェル以外も食べたいな、と思ってるのに、もうこれだけでお腹いっぱいになってしまいます。
Koko's Bavarian
お次は、Koko’s Bavarianというブリュワリーです。Bavarianはドイツのバイエルン地方やバイエルンの人を意味します。
ここはドイツ風ビアガーデンで、お店の雰囲気がすごく良かったです。注文時に自分の携帯番号を伝えます。料理が準備できると携帯にテキストが飛んできて、料理を取りに行くというスタイルでした。
最近、ブリュワリーやハンバーガ屋さんなどで、このタイプのお店が増えてきました。カウンターで注文して、できたらカウンターまで取りに行って。一体何にチップ払ってるの?っていう気がしてきます。
せっかくドイツバーだし、ソーセージのいい匂いがお店を漂ってるし。ちょっと多いなと思いつつ、プレッツェルに加えホットドッグも頼んでしまいました。週末にプレッツェルばっか食べてるし、肉っけが欲しいんです!
もうパンばっかりイヤ!ソーセージ、めちゃめちゃ美味かったです。期せずして至高のソーセージを見つけました!
プレッツェルも美味しかったです。外パリじゃなかったけど、中フワで今までで一番美味しかったかも。ディップソースは右はビアチーズですが、左は、クリームシチューに小さいカリカリベーコンが入っているようなやつで、これもめちゃ美味しかったです。
今日ご紹介した2軒のバーは、「至高のプレッツェル」とまでは言えないけど、日本から知人が遊びに来たら、十分紹介できるレベルのバーでした。
これまでの総括
自分の備忘録として、これまで訪問したお店の点数を残しておこうと思います。
Lock 15 Brewing Company
プレッツェル:★★★★★
ディップ :★★★★★
理想の味。しかし、出張先で食べたという認知バイアスがかかってるかもしれない。
Scholz Garden
プレッツェル:★★★★☆
ディップ :★★☆☆☆
無難に美味しい。ディップにもうひと工夫欲しい。
Auntie Ann’s
プレッツェル:★☆☆☆☆
ディップ :★☆☆☆☆
フードコートでは十分な味。わざわざこれ目的で行くほどではない。今から思うとこれはプレッツェルと似て非なるものなり。
Dave & Buster’s Austin
プレッツェル:★★☆☆☆
ディップ :★★★★★
生地が”ぎゅ”ってなりすぎ。ピリ辛ディップはめちゃウマ。
The Brewtorium
プレッツェル:★★★★☆
ディップ :★★★☆☆
美味しい。ビールも美味しいし、また行きたい。
Easy Tiger
プレッツェル:★★★☆☆
ディップ :★★★★☆
プレッツェルはやや硬い。でも他のパンを食べにまた行きたい。
Koko’s Bavarian
プレッツェル:★★★★☆
ディップ :★★★★☆
ここにしかないディップ。ほぼ完璧な組み合わせ。
プレッツェルの形について
一つ間違いというか、新たなことを知ってしまったので、訂正しておきます。三部作の1作目で、「プレッツェルの形」について記載しました。
「ある修道士が祈りを学んだ弟子へのご褒美として、祈りの姿勢である交差した腕に似せてパンを焼いた」っていう内容です。確かに日本語版wikipediaにも、英語版wikipediaにもそういった内容の記載があり、一つの説としては間違ってはないのだと思います。しかし、ドイツ語版wikipediaには全く別の説も記載されていました。
Der US-amerikanische Lebensmittelhistoriker William Woys Weaver vertritt die These, dass sich die heutige Brezelform aus den keltischen Ernteknoten entwickelte, die dekorativ gewebte Kunstwerke aus getrocknetem und geflochtenem Weizenstroh waren.[9] Diese Ernteknoten werden mit Frühlingsfruchtbarkeit, dem Frühlingsäquinoktium und der keltischen Göttin des Ost-Sterns Sirona in Verbindung gebracht. Das Christentum unterdrückte diese heidnischen Traditionen, da sie den kirchlichen Erzählungen über Ostern widersprachen.[10]
米国の食品史家ウィリアム・ウォイズ・ウィーバーは、現在のプレッツェルの形は、ケルト地方の収穫祭結び(麦わらを乾燥させて編んだ装飾品)から発展したと主張しています。この収穫節は、春の豊穣、春分、ケルトの東の星の女神シロナと関連しています。キリスト教では、これらの異教徒の伝統が、イースターに関する教会の物語と矛盾するため、弾圧しました。
収穫祭結び(ドイツ語:Ernteknoten, 英語:harvest knots)とは麦で編んだお守りのようなものです。日本でいうお正月のしめ縄に似ている穀物で編まれた編み物です。下のリンクが画像検索結果です。
Celtic harvest knots - Google 検索
Wikipediaではそこまではっきりと書いてませんが、元々、その形はケルト地方の伝統であり、そこからパンの形も倣うようになったのですが、キリスト教はそれを素直に受け入れることができなかったのではないかということです。つまり、キリスト教は後付けで自分たちに都合のいい理由を作ったのではないか、とも考えられます。こうやって歴史は作られるんですね。
いろんな説があるだけで、正解は知り得ようがないのですが、こういう見方もできるってのが面白いです。ハロウィンの起源もケルトの収穫祭ということだし、思っている以上に形を変え受け継がれているケルトの風習ってのはあるのかもしれません。
最近、私はChatGPTをよく使っていますが、そのアウトプットを見て、一体何が正解?と思うことがよくあります。流石にWikipediaに記載されている内容は一応の正解かと思っていますが、日本語版、英語版、ドイツ語版でも記載内容は微妙に違ってきます。
何が正解かも大事なのですが、それ以上に正解に辿り着こうとする過程が楽しいです。 ChatGPTがどれだけ発達しようとも、その「楽しみ」だけは奪われないようにしないといけませんね。
最後に
起源はドイツですが、アメリカのプレッツェルもほんとに美味しいです。ディップソースを添える、という独自の発展もしています。食べる機会があれば、是非お試しください。
私は好きですが、ちょっと飽きてきました。プレッツェルはドイツ系バーに置いてるので、ソーセージも食べたいのに、プレッツェルでかすぎるんです。しばらく時間を空けてから、またのんびり「至高のプレッツェル」探しを継続していきたいと思います。
それでは、またー
▼アイルランドとハロウィンそして収穫祭の関係を書いてます▼
▼パン繋がりでアメリカはパティメルトもメジャーです▼