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テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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アコーディオン大会『The Big Squeeze 2023』に行ってきた

(Image Creatorにて作成)

 

 

はじめに

この週末は、Bullock Texas State History Museum(ブーロック・テキサス州立歴史博物館)という博物館で開催された音楽イベント"The Big Squeeze 2023"に行ってきました。アコーディオンのコンサートです。

 

Squeezeは「押しつぶす、圧迫する」と言った意味です。米国ではアコーディオンのことを別名squeeze boxと呼びます。蛇腹をぐいぐい押しますからね。なので、アコーディオンのコンサートにはsqueezeという単語がよく使われるようです。

 

すでにテキサス州300名の参加者から9名までに絞られており、この大会が決勝戦でした。またプロのアコーディオン演者も2組招待されており、プロの演奏も聴くことできました。

 

Bullock Texas State History Museumの正面。この週末お天気はイマイチでした。

 

The Big Squeeze 2023とは

今回のイベントHPには、以下の記載があります。

The Big Squeeze is presented by Texas Folklife as part of its mission to preserve and present Texas’ diverse cultural heritage. Since 2007, Texas Folklife has promoted Texas accordion music genres through the Big Squeeze program. More than 300 young, talented players from dozens of Texas communities have participated in the program, which supports these vital community-based accordion music traditions.  

 

「The Big Squeeze」は、テキサス・フォークライフが、テキサス州の多様な文化を保存・紹介する活動の一環として開催されています。2007年以来、テキサス・フォークライフは「The Big Squeeze」プログラムを通じて、テキサス州のアコーディオン音楽の発展に貢献してきました。このプログラムには、テキサス州から300人以上の若く才能ある演奏者が参加し、貴重なアコーディオン音楽の伝統を支えています。

 

演奏始まる前の会場の様子

そして、驚きなのが、このコンサート無料なんです。博物館の入場料が$13なので、$13は払う必要がありますが、入場料を払えば、コンサート自体は無料でした。このイベント知ったとき、めっちゃお得やん!と思ったのですが、今日行ってみると、博物館の駐車場で$15取られました。コンサートよりも、博物館よりも、何より駐車場が一番高い。ダウンタウンはそんなところ。

 

音楽ジャンル

予選が何回開催されたのか私は把握していませんが、この日は300人以上の参加者から決勝まで勝ち上がった方9名の演奏です。参加者は21歳以下の若者ばかりです。3つの部門に分けられており、Polka(21歳以下), Conjunto(16歳以下), Conjunto(17歳以上21歳以下)の3部門でした。

 

Polkaはチェコ発祥の民族舞曲です。しかし、米国南部に伝わったのち、米国では、punk polka, alternative polka, conjuntoなど独自の発展を遂げてます。

 

Conjunto(コンフント)とは、ラテンアメリカ音楽の一種で、メキシコやテキサスにアコーディオンが持ち込まれた後、ポルカやワルツを独自のリズムで発展させた音楽です。テキサスのルーツ音楽とも言われているようです。このジャンルでもっとも有名な演者はFlaco Jiminez(フラコヒメネス)で、グラミー賞を6度受賞しています。

 

大会参加者の若者の演奏は撮ってはいけないようだったので、撮ってないですが、以下はYoutubeにアップされてた2022年度の大会の模様です。これもBullock museumですが、ロビーで演奏してますね。今年は、ステージのある講堂でした。この動画に出てくる曲がConjuntoとかPolkaです。

 

 

演目

今年の演目は、テキサス在住でアコーディオンの先生をされているElena Fainshteinさん(出身はロシア)の演奏が一番最初にありました。その後、大会参加者の演奏が9組続きました。最後に、プロのアコーディオンバンドであるJosh Baca & the Hot Tamalesによる演奏がありました。Josh Bacaバンドの演奏の後で、9組から優勝者の発表および授賞式がありました。

 

最初のElena Fainshteinさんの演奏は見事でしたが、動画は撮ってないです。Youtubeで検索するとElenaさんがTEDに参加して演奏している動画があったので、以下に貼り付けときます。Polkaのところから始まるようにしています。私はアコーディオンのボタンの数を見ただけで、この楽器やろうとは思わないです。

 

 

この動画の最初の方では、Elenaさんがアコーディオンを始めることになったきっかけなどが語られています。ネガティブな体験が明るい未来を導くこともある、というお話です。デュオ演奏の相手はご主人です。音大の時に出会ったそうです。今日もデュオで演奏されてましたが、今日の相手はご主人ではなく、お弟子さんとのことでした。

Elenaさんとお弟子さんのデュオ演奏

その後の、大会参加者9名の演奏もそれぞれよかったです。最後は各部門から優勝者が選ばれました。優勝賞品は、トロフィーじゃなくて、アコーディオンでした笑。

左:大会参加者、右:優勝者と賞品のアコーディオン

最後に、Josh Baca & the Hot Tamalesによる演奏でした。このバンド、めっちゃよかったです。「アコーディオン、かっけーーー!!」ってなりました。以下は、私が撮影した動画です。大会参加者以外は撮ってもいいような感じだったので。

 

このバンド、予定より長く演奏しすぎたのか、最後の方で、司会の方から「そろそろ終わってください」と注意されます。でも「あと1曲だけ」と言って演奏を継続します。でも、その後2曲演奏します。徐々に舞台袖から司会の方の「早よ終われ圧」が強くなってきます。

なのに、2曲めの終わりで、終わりそうで終わらない演奏を続けます。それに会場は爆笑になってます。動画の後半は、司会および大会関係者の方の圧(舞台袖、右側に立たれてる)も見所です。

 


もう終わりそうで終わらない演奏をちょけて続けてるアコーディオン奏者が「極楽とんぼの山本」にしか見えなかったです笑。

 

アコーディオンのコンサートは初めてでしたが、楽しかったです。Polkaはヨーロッパ感ありセーヌ川で佇んでる気分になりました(いや、言い過ぎか)。Conjuntoはめっちゃメキシコだし。またメキシコ好きになりました。

 

おまけ

せっかく初めて訪れた博物館だったのですが、コンサートで3時間過ごしたので、疲れてもう博物館の展示はほとんど見ませんでした。アメリカやテキサスの歴史がわかるような展示だと思うのですが、またそのうち訪れようと思います。

こんな感じの博物館。きっと色々テキサスのことを学べるんだと思う。

この博物館のすぐそばにBlanton Museum of Art(ブラントン美術館)という美術館があります。その美術館に今月、新しいモニュメントが完成しました。せっかくなので、その写真だけ撮ってきました。

 

Blanton Museum of Artのモニュメント

中央、正面に小さく写っているのが、Texas Capitol(テキサス州会議事堂)です。右に写っているドーム状の屋根の建物がコンサートがあったBullock Texas State History Museumです。新しいモニュメントはクラウンシャイネス(樹冠の遠慮)をモチーフにしてるんでしょうか。可愛いですね。

 

最後に

アコーディオンのコンサートなんて今まで行ったことなかったですが、いいですね。テキサスに古くからある音楽を維持しようという活動なので、日本でいうと太鼓とか三味線とかでしょうか。

年配者が幅を効かせるわけではなく、若者だけの大会ってのがいいですね。見ようによっては、若者ウケしない音楽ジャンルだと思うのですが、こういう大会が毎年行われてるってことが素晴らしいなと思いました。

 

それでは、またー

 

▼Conjuntoのアコーディオン演奏がこちらの記事でも登場します▼

 

▼クラウンシャイネスをご存知ない?こちらに詳細が▼