はじめに
今週は平日に1日有休を取ってAustinで開催されているビッグイベントSXSW(サウスバイサウスウェスト)に行ってきました。そのお話です。
SXSWとは
年間を通じてAustinで開催される最大のイベントがSXSWです。今年の開催期間は3月8日から16日まで9日間のイベントです。このイベントの去年の来場者は約35万人とのことです。
SXSWは毎年3月にAustinで開催される音楽、映画、インタラクティブをテーマにした巨大ビジネスカンファレンス&フェスティバルです。1987年にインディーズの音楽祭として始まり、のちに映画とインタラクティブを加えて、世界最大級のイベントになっています。
こんな世界的にも有名なAustinで最大のイベントなのですが、私は今までこれに参加したことがありませんでした。と言うのも参加費が高いんです。このイベントは大きくインタラクティブ、映画・テレビ、音楽の3つのジャンルに分かれているのですが、全てが自由に参加できるようになる参加費はなんと$2000(約30万円)!!です。音楽ジャンル限定で自由に参加できる参加費でも$600-1000(約9万円〜)なのです。
このイベント中に音楽だけでもとんでもない数のライブ・コンサートがAustin中で開催されているので(会期中に約1000人・組のアーティストがライブする)、平日会社を全部休んで朝から晩までライブ漬けの生活を送れば、十分もとは取れると思うのですが、流石にそんなことをする甲斐性もなく、今まで参加せずに終わってました。
しかし、平日無料で体験参加できる日が1日だけあるという話を聞いて、今年はその日に有休を取って参加してきた、というわけです。
ちなみにSXSWの語源ですが、ヒッチコックの映画「North by Northwest」(邦題:北北西に進路を取れ) に由来しています。ニューヨークから見たAustinが南南西に位置していることから、この映画をもじって「South by Southwest」と名付けられてます。由来もオサレでカッコいい〜
INDUSTRIES EXPO
無料で参加できるメインのイベントがINDUSTRIES EXPOになります。いろんな国の企業がハイテクを展示するブースを出しています。私も一応技術者の端くれなので、専門ジャンルは異なれどハイテクものは楽しく見て回れます。以下、私が見たもののいくつかをご紹介します。
話題の対話型AIの顔画像付きコミュニケーションツール。会話に付き合ってくれるし、なんでも質問に答えてくれます。英語だったので私は十分楽しめなかったけど、これからの英語学習の相手にはいいだろうなと思いました。沈黙が嫌いなのか、めっちゃ話しかけてくるので、ちょっとウザかったです。
以下はUS Armyが展示していた遠隔操作ロボット。遠隔で操作して、アメフトボールを拾うってことをやってました。あとドローンも展示。展示そのものは客寄せ向けのものだと思いますがUS Armyが展示を出すってことに驚きました。ここのブースだけ警官が拳銃持って立ってました。
日本の方がプレゼンしてました。東大と慶応の方が興したベンチャーみたい。動画を瞬間で伝送するシステム。時間遅れが許されないのだから、車の自動運転とかに応用可能なんでしょうか。よくわかりません。
日本の方のプレゼンでありがちなのは、開発したものの凄さを語りすぎです。凄いスペックなのは分かるのですが、結局、何に使えるのか素人にはピンときません。素人を相手にしてない、と言われればそれまでですが。。。
自転車関係の展示が2件。一つはModBikesという電気自転車の展示(左)。もう一つは、普通の人力で漕ぐ自転車を電動に変えちゃうクリップを販売している会社(右)。ModBikesの自転車、最近Austinでたまに見るな、と思ってたらAustinの会社でした。クリップの方はでっかい洗濯バサミみたいなものを前輪に取り付けたら、それがタイヤを回してくれるという仕組み。$500ぐらいなので、もうちょっと小型化されたら日本でも需要あるんじゃないかと思います。
HONDAがハンズフリーで重心移動だけで操縦するパーソナルモビリティの展示をしてました。VRと組み合わせて、テーマパークや娯楽施設での使用を想定しているようです。
Youtubeの動画です。ダサかっこいいです。技術はかっこいいのですが動画がダサいです。
VR技術は枚挙に遑がなくて、そこら中にゴーグルつけた人たちがいます。いろんなゲームができたり、行けないところの景色が見れたりするのでしょうが、VRで珍しい動物見るよりも、目の前のどこにでもいる鳥や虫を観察しろよ、と思うので私はあまり好きではありません。といっても教育ツール(教科書やiPadの次に来る)としては、向いているのでしょう。
日本のテレビ局も出てました。こんな感じなので素通りです。
これちょっと興味あったから体感したかったのですが、行列がすごかったので諦めました。多分東大が興したベンチャーだと思うのですが、空間の中に物体は何もないのですが、手を入れると触ったかのような感触を超音波で感じさせるという技術です。この配線むき出しの箱が理系男子心をくすぐります。そこに座ってる人たちといい「大学の研究室をそのまま持ってきました」的な感じがすごく良かったです。
5感のうち、視覚(見る)、聴覚(聞く)はほぼ遠隔伝送ができるので、触覚(触れる)は3つ目の遠隔伝送ですね。人間のコミュニケーションで味覚、嗅覚はほぼ関係ないので、触覚も遠隔伝送できれば遠隔で握手もハグもできちゃうし、人と会う必要性もなくなってきますね。
下はその他。左はスターウォーズのBB-8みたいにボールで転がりながら動くロボット。右はおじさんをカメラで写すと、リアルタイムで横にホログラムで映されるという技術。リモートワークでも上司がまるで横にいるかのように監視できる技術です。何を想定してこんな技術を開発しているのか。やめて欲しいわ。
フリーライブ
あと無料で入れるライブ会場2件をハシゴしました。1件目はちょっとDJ風で好きな感じではなかったので、ほどなくして退出しました。ほぼどんなジャンルの音楽も好きですが、生演奏じゃないものは苦手です。
2軒目のCHEER UP CHARLIESというバー。ここは良かったです。タコスがおいしかった。
たまたま演奏していたのが、Folk Bitch Trioっていうオーストラリアで活動されている女性3人組のトリオだったのですが、この演奏がとても良かったです。水曜日の午後に会社休んでビール飲みながら聴く音楽は、世の中にこれしかないんじゃないかと思える歌声と演奏でした。
最後に
Austin最後の年にSXSWの雰囲気を味わえて良かった。結局、有料のセッション・イベントには何も参加してないので、ほんとはもっと楽しいのでしょうが平日のイベントなのでいくら地元と行ってもなかなか参加するのは難しいですね。
それでは、またー