THE TIME YOU ENJOY WASTING IS NOT WASTED TIME

テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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【体験談】The Range at Austinで射撃やってきた

本日の記事は「銃」「射撃」の話題です。そういう話題を不快に感じる方は、ここでお戻りください。

(Image Creatorにて作成)

 

 

はじめに

先週末、人生で初めてshooting range(射撃練習場)に行ってきました。以下の記事でローカルの人と飲んでる時に「近いうちに射撃に連れていったるわ」と言ってもらい、社交辞令かなぁと思ってたら、先週、ほんとに声をかけてもらいました。もうめっちゃ嬉しい!

 

 

誘ってくれた方をSさん(仮名)とすると、Sさんが「息子と一緒に射撃に行くけど、一緒にくる?」とのこと。Sさんは50歳ぐらいの方なのですが、Sさんの息子さん(見た目、二十歳すぎぐらい)と私ともう一人(同僚の日本人)の合計4人で行ってきました。

 

The Range at Austin

 

Shooting Range

こちらでは射撃場のことをShooting Rangeあるいは単にRangeというようです。今日はThe Range at Austinというところに行ってきました。私は他の射撃場に行ったことがないので、比較のしようがないですが、Sさんは「ここがAustinで一番ええ射撃場や。最初にやるならここがええ」と言ってました。

 

 

Austinに何箇所ぐらい射撃場があるのか正確な数は分かりませんが、Google Mapでshooting rangeで検索すると7, 8箇所はありそうです。130万人都市に対して、7, 8箇所あるんだから、やっぱり結構ありますよね。

 

今調べたら、神戸市の人口が150万人ぐらいで、ボウリング場が7箇所あるので、神戸市のボウリング場ぐらいの比率で、Austinには射撃場があるようです。

 

The Range at Austinのトップホームページ。普通に楽しい娯楽施設って感じの紹介。扱ってるのはおもちゃじゃなくて、ほんまもんの銃です。

 

訪れたのが日曜日の午後だからか、混んでました。20レーン以上はあったと思うのですが、2レーン借りるのに1時間待ちと言われました(結局は1時間も待ってないですが)。その後、4人で2レーンを借りて、1時間ほど遊びました。

 

射撃までの流れ

まず受付で、同意書と質問事項に答えます。QRコードを読み込んで、携帯で回答します。同意書は、「自分は銃の所持を禁止された者ではない」「自分や他人を傷つけません」「設備を破壊したら弁償します」のような事が書かれてました。質問事項は、前科ありか?執行猶予中か?酒飲んでるか?自殺願望あるか?DVなどにより接近禁止令を受けたことがあるか?などの質問がありました。幸い私は全部Noでした。

 

提出後、受付で銃のレンタルができます。我々はSさんが3丁、息子さんが1丁、それぞれ自分の銃を持ってこられて、それを使わせてもらうので、レンタルは無しです。

 

そして、受付でイヤーマフ(防音用のヘッドホン)とゴーグル(メガネしてたら不要)と(同心円や人の絵が描いてるやつ)をもらい、いよいよレーンに移動します。レーンに入る扉は二重扉になってて、多分防音目的だと思うのですが「必ず一方の扉しか開けてはいけない」と大きく書かれてました。

 

待ち時間があったので、レーンに入るまでの間、撃っている人を見学してました。仕切りは全て透明板なので、外から撃ってる人を見ることができます。雰囲気は日本のバッティングセンターです。でも、この射撃場で一番びっくりしたのは普通に子供がいることです。

 

小学校高学年ぐらいの男の子がお父さんと一緒にライフル銃を練習してました。自分用のライフル銃を持っているのだと思うのですが、自分で肩からかけてレーンに入っていきました。

 

また別の家族ですが、お父さんが小学校低学年ぐらいの女の子に小型銃の打ち方を指導してました。女の子は明らかに怯えてて、お父さんの背中側にくっつこうとするのですが、お父さんは銃を持たせて、使い方を教えてました(声は聞こえない)。フリフリの可愛いスカート履いてる女の子に銃を持たせようとするお父さん、という異様な光景でした。誰もそれを特別なこととして見てなかったようですが、私にとってはかなりショッキングなシーンでした。

 

米国は時折子供が発砲し、人に当ててしまうという痛ましい事件が起こります。こういう小学校低学年の子に銃の使い方を教えることが、それの予防に繋がるのか、助長する方向に働くのか私は分かりません。しかし「アメリカはそういう国なんやな」と改めて思いました。

 

銃売り場

ここは射撃場ですが、銃の販売もしてました。待ち時間に、色々見て回りました。もう興味津々です。安いやつで$500ぐらいから、高いやつは$3,000以上してました。安いやつと高いやつの違いは、量産品として売られてるやつか、カスタム品かの違いが大きいと言ってました。

 

左:量産品、$500ぐらいから。右:カスタム品、このSTACCATOというメーカーはAustinの隣町Georgetownに製造工場があるらしい

 

レトロ拳銃のコーナーもありました。1890年代に日本の陸軍が採用していた二十六年式拳銃が売られてました。$750と買えないこともない値段だったので、日本に連れて帰ってあげたいと思ったのですが、その理由じゃ税関が通れないだろうなと思って買ってないです。

 

左:レトロ銃。雑な置き方ですが本物なんだと思います。右:陸軍の二十六年式拳銃

 

Sさんと息子さんも、いろんな銃を見ながら「次、これ買おうと思ってるねん」「いや、高すぎるやろ」みたいな会話してて、「カメラ買うみたいに言うなよ」と思って聞いてました。

 

そういえば、Sさんではないですが、こちらの方(その人はハンティングが趣味)と以前会話をしてて、「俺は日本のミロクの銃を持っている。ミロク、ええよな!」という人がいました。私が「ミロク知らない」って答えると、「えっ、なんで?」みたいな顔してました。後で調べると高知県の猟銃メーカでした。

 

いざ、射撃!

レーンの中に入るとイヤーマフをしてても、音が凄いです。音は低減されてるのでしょうが、振動が体全体に伝わります。本物の銃声を間近で聞いたのは、これが初めてですが、銃声を聞くと本能的に体がフリーズしてしまいます。怖いという感情よりも先に体が固まります。

 

小口径の「パン!パン!パン!」という音はすぐに慣れますが、大口径の「ドゴォン!ドゴォン!」という音は鳴るたびに体がビクッってなります。「ダーティーハリー、来た!」ってなります。レーンに入ってから改めて思いましたが、さっきの女の子辛かったんじゃないかなと思いました。

 

私が撃ってるとこです。床に落ちてるのが撃った後の薬莢です。この薬莢見て思い出したのが、学生の頃に行った「堺魚市場」にある天ぷら屋。貝汁の貝殻を床に捨てるシステムだったので、床中、貝殻だらけだった。久しぶりに思い出した。まだあんのかな。

 

Sさんはかなりの数の銃を所有されているらしいのですが、多分我々のために、扱いやすく、しかもタイプの異なる3丁を用意してくれているようでした。1つが小口径9mm拳銃、もう一つが、それより大きな45口径拳銃、最後に、ライフル銃です。

 

どれも弾薬を詰めるところまではSさんがやってくれました。最後、安全弁を下げたら発射できるという状態にして渡してくれました。9mm→45口径→ライフルの順で打ちました。最初は9mmの衝撃も驚きますが、45口径を打つとやっぱり9mmでは物足りなく感じます。ライフルの衝撃も大きいですが、肩に衝撃が来るので、腕はそんなでもないです。腕に衝撃がくる45口径が一番面白いなと思いました。

 

的です。左の壁についてるボタンで的を向こうにやったり、手前に持ってきたりできます。

 

私にとって射撃は、面白いけど、ハマるようなことではないかな。今後も誘ってもらったら、もちろん行くだろうけど、自分で行くことはないと思います。

 

最後に

アメリカにいる間に一度は射撃をやってみたいと思ってたので、経験できてよかった。その点は素直に嬉しいです。でも嬉しい反面、アメリカでの銃の根付き方を見て、「銃規制なんか実現できるわけないやん」という気持ちにもなりました。

 

実際、射撃自体は楽しいし、爽快感ありますしね。日常生活では感じられないレベルのアドレナリンとドーパミンが放出されてると思う。酒、タバコ、ギャンブルと一緒です。たとえ合法であっても社会から煙たがられるものに共通するのは依存的な一面があることです。射撃にも依存的な一面が絶対あると思います。

 

依存と言っても、こういうところに遊びに来る人は、きっと自分を適切にコントロールできる人だと信じてます。しかし、世の中には、自分を適切にコントロールできない人が残念ながらいるし、アメリカはそういう人でも銃が握れますしね。実際、精神的にmatureとは言えない子供にも練習させてるんですからね。

 

こう言う光景を見てると、アメリカで銃を持たずに暮らすということがどういうことなのか、改めて色々考えさせられました。いい体験ができました。

 

それでは、またー