THE TIME YOU ENJOY WASTING IS NOT WASTED TIME

テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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Super Bowlから聴覚障害について考える

(Image Creatorにて作成)

 

はじめに

今日はお天気良い土曜日だったのに、一歩も部屋から出ずに過ごしてしまいました。

 

といっても、出かけたくないから引きこもったという「消極的引きこもり」ではなく、家で勉強したり、調べごとしたりして過ごしてたら、一日終わってしまったという「積極的引きこもり」です(だから、何?って話ですが)。

 

出かけなかった今日を無駄な一日にしないように、今日私が得た知識、感銘を受けたことなどをシェアしておこうと思います。

 

Super Bowlハーフタイムショーの手話通訳

まずは、下記動画を見てください。これは、今から約1ヶ月前、2月12日(日)に開催された第57回Super BowlでのRihannaのハーフタイムショー、及びその裏でRihannaのパフォーマンスを手話で同時通訳されていたJustina Milesさんの動画です。

 

ASL Rendition of 2023 Apple Music Super Bowl LVII Halftime Show by Rihanna - YouTube

 

今日この動画をたまたま見つけてしまい、彼女(Justina Milesさん)のパフォーマンスにいたく感動しました。何に感動したって上手く言えないですが、彼女の表現力に感動したんだと思います(逆に自分の表現力の無さに怒りが込み上げます)。この動画でJustina Milesさんに興味を持ってしまい、Wikipediaから、関連ニュースから、色々探して、読みました。

 

Wikipediaによると、大体以下のようなことが書いてます。

 

彼女は、様々な音楽イベントで手話によるパフォーマンスを行っています。Super Bowlのハーフタイムショーでのパフォーマンスは、初の黒人女性聴覚障害者によるものであり、SNSで数百万回再生される程の話題となりました。彼女によるLil' Kimの「Crush on You」の手話パフォーマンスも2020年にTikTokで話題となりました。

彼女はまた、オリンピック選手でもあります。彼女は、ブラジルで開催された2022年デフリンピックのアメリカ合衆国代表の一員であり、女子4x100mリレーで銀メダルを受賞しました。彼女はまた、100mと200mの競技にも出場しました。

 

彼女自身、聴覚障害者とのことですが、手話パフォーマンスだけでなく、デフリンピックでもメダリストになってるすごい人でした。2002年生まれ。日本で言うと、私の長男の一つ下の学年。信じられへん…

 

⇩上と同じですが、こちらはRihannaが映っておらず、Justina Milesさんのパフォーマンスだけの動画。

 

Justina Milesさんへのインタビュー

以下はCBSのテレビ番組でインタビューを受ける彼女の動画です。自分の英語の勉強用にOtterの力借りて、文字起こしもやりました。文字起こしは完璧ではないので、動画を”正”と思ってください。でもCBSのYoutubeチャンネルからなので、日本(アメリカ以外)からは視聴できないかも。起こした文字を参考に載せときますね。

 

 

グレーが司会者青色文字がJustina Milesさんです。sign(サイン)という動詞が何度も出てきます。「署名する」という意味でよく使われるsignですが、ここでは「手話で表現する」という動詞です。

 

Welcome back to CBS mornings. Instead of our usual talk of the table, we're bringing you a very special conversation with a surprise superstar from the Super Bowl halftime show. I know you saw her deaf performer. Look at her go.

CBSモーニングへようこそ。今日はいつものトークと変わって、スーパーボウルハーフタイムショーから驚きのスーパースターとの特別な会話をお届けします。彼女を見たことがあると思いますが、彼女は聴覚障害者のパフォーマーです。

 

Justina Miles went viral for her very high energy in American Sign Language Interpretation of Rihanna's medley "Look at You". She also signed "Lift Every Voice and Sing" before the big game. Now Miles is the first deaf woman to sign the Super Bowl halftime show. She's a nursing student at Bowie State University that's in Maryland, and she joins us for her very first TV interview since the Super Bowl along with her ASL interpreter that's Alberto Madero.

ジャスティーナ・マイルズは、リアーナのメドレー「Look at you」のエネルギッシュな手話で一躍話題になりました。また、彼女は大会前に「Lift Every Voice and Sing(アフリカ系アメリカ人を称える歌)」も手話表現しました。そして今、マイルズはスーパーボウルハーフタイムショーで手話を披露した最初の聴覚障害者の女性です。彼女はメリーランド州のバウイ州立大学の看護学生で、スーパーボウル以来、これが初のテレビインタビューです。ASLの通訳アルベルト・マデロも一緒です。

 

We welcome you. Good morning. Good to see you Alberto, but I want to talk to you. Bravo, Bravo, Bravo, Justina. You were so fun to watch. You were so fun to watch you just jumped off the screen. And we keep describing you as the first deaf performer. But watching you, you appear to be able to hear the songs. Can you tell us your process? How were you able to do what you did?

ようこそ。おはようございます。アルベルト、あなたに会えてうれしいですが、私はマイルズと話したいの。ブラボー、ブラボー、ブラボー、ジャスティーナ。あなたを見ていてとても楽しかったです。あなたは画面から飛び出ていました。私たちはあなたを最初の聴覚障害者のパフォーマーと表現していますが、あなたを見ていると、まるで歌が聞こえてるみたい。どのようにしてそれを成し遂げたのか経緯を教えてもらえますか?

 

Right so yes, I communication but it's so like when you go to an audiologist and you take a test to go to see how keep you deaf levels so it's like over 30 or 40 they'll consider your deaf. So either you're like I can hear well, but I'm still deaf or to moderately deaf to severely deaf to profoundly deaf so they have those levels but they're still deaf I'm like considered deaf.

そうですね、コミュニケーションはとれますが、専門医に行って聴力検査を受けると、聴覚障害に分類されます。例えば、聴力レベルが30や40を超えると、難聴者とみなされます。また軽度、中程度から重度の難聴、深刻な難聴など、いくつかのレベルがあります。どのレベルでも聴覚障害と分類されるので、私は聴覚障害にあたります。

 

So watching you was really I got such a kick out of watching your expressions and the way that you signed. You were so into what you were doing. How far in advance did you get the set list?

あなたの表情や手話の仕方に本当に見入ってしまいました。あなたは完全に入り切っていたね。曲目リストを知らされたのは、どのくらい前だったのですか?

 

Yes like that goes like into like the preparation with it and everything. So I got the set list about like five days before the show. And I was like nervous before like getting this I was like oh my gosh what's she gonna do like she hasn't been on stage. I'm listening to all your different songs, so I got it I'm like I know all the songs I was confident I was like yes. So what I did was look over the lyrics make sure you know I got all the meanings right.

はい、曲目リストを受け取ったのはショーの5日前でした。曲目リストを受け取る前は、緊張していました。彼女は、どんなステージにするのかと思っていました。しかし、すべての曲を聞いていたので、曲目リストを受け取ったとき、すべて知っている曲だったし、自信を持って「大丈夫だ」と思いました。歌詞を見直して、再度正しく意味を確認しました。

 

But do you memorize the lyrics?

歌詞は覚えてるの?

 

Yes, I remember the lyrics and the beats that way I can sign the lyrics and move to the beat so they can see the beat rather than they can hear the beat. I would like RING RING RING, you hear Boom Boom. You feel me? You feel me? Like.

はい、歌詞とリズムを覚えています。なので歌詞を手話表現して、リズムに合わせます。観客はビートを聴くのではなく、ビートを見ることができます。私が「リン・リン」と表現したら、あなたは「ブン・ブン」ってね。私を感じて、感じてって。

 

Yes. I mean, so did you practice ahead of time? Were you able to practice ahead of time?

分かるわよ。練習はできたの?前もって練習することはできましたか?

 

Yes, I did. With the setlist with the track, I practiced for a week, and with rehearse with everybody the whole show. We ran through it again and again all week so.

はい、曲目と一緒に、1週間ほどみんなと一緒にリハーサルしました。何度も何度も練習しました。

 

Did you ever meet Rihanna? Did you ever meet her and talk with her?

Rihannaに会えた?彼女と話しましたか?

 

I did not. I did not get a chance to meet her. But she did DM me.

いいえ、会うことはできませんでした。しかし、彼女からDMを受け取りました。

 

She did? Can you tell us what she said?

本当に?なんて書いてあった?

 

She was like black queen. Yes. You're amazing we BFFs in my head. You were amazing. I would glad to meet you, she said yeah but it was beautiful. But I knew everybody was so busy. We didn't get a chance to like meet, but we practicing the same vicinity and I was like she did not look pregnant. Oh my god.

彼女は、黒人女性の女王のようでした。そうなんです。あなたは素晴らしいです。私たちは親友です。あなたは素晴らしかったです。出会えてよかったと言ってくれました。それは本当に美しかったです。でも、みんな忙しかったから、会う時間が取れなかったんです。でも、私たちは同じ場所でリハーサルしていたけど、彼女が妊娠していたなんて分からなかった。なんてこと。

 

Weren't you a surprise too you were surprised?

驚きましたか?

 

Yes, I found out after way after because we were doing everything.

はい。でも私たちはバタバタしていたので後で知りました。

 

So how do you decide the interpretations you're going to give? Because it's almost like you're giving a performance yourself? Is that what you're trying to do? Trying to perform your entertain?

あなたが行う手話はどのように決めているのですか?あなた自身もパフォーマンスをしているように見えますが、それはエンターテインメントとして?

 

I'm really like trying to show her art by really show her art. How like show it through. How I feel but through her songs. How the artists is herself like she's very she's a visual performer. So like, I try to be. Yeah, right. I gotta be as visual as possible.

私は彼女の芸術を表現することを本当に意図しています。彼女の歌を通して、私が感じること、彼女自身がどのようなアーティストであるかを示したいのです。彼女はとてもビジュアル的なパフォーマーです。だから私も、できるだけビジュアルな手話を行おうと思いました。

 

So what was your thinking going into the performance because it seems like this is such a huge opportunity. So many people who didn't know about you and didn't know about your skill? This is a huge opportunity, isn't it for the deaf community?

パフォーマンスに向けて何を思った?これはあなたのスキルや存在を知らなかった多くの人々に知らせるとても大きなチャンスですよね。聴覚障害者コミュニティにとっては、とても大きなチャンスだと思いますが。

 

Yes. 500%. That was my thinking before like getting there. I was like, I just hope I pop off on a big scale like I hope I reached a big scale for the deaf community like that's what I do and how I got in my zone I'm quiet.

はい、500%、そう思っていました。聴覚障害者コミュニティのために、大成功することを願っていました。それが私がやることです。私は静かに集中しました。

 

You were not quiet, Justina. So you're a nursing student. But what's your dream job? Do you have a dream job?

あなた、静かじゃなかったわよ。あなた看護学生なのね。でも、あなたがなりたい仕事は何ですか?希望の仕事はありますか?

 

It would be like a performer like I grew up I really really really love dance. I dance 25 a like my mom was dancing my whole family dances. Yes. So I really wanted to be a dancer performer. But with nursing like I, my goal was to really pave the way for deaf people to become nurses and like help deaf people like when they go into a hospital or whatever they need that access right there like they need well.

それはパフォーマーのようなものだわ。私は踊ることが大好きで、25歳までダンスをしていた母のように、そして家族みんなも踊っているわ。そう、私は本当にダンサーでパフォーマーになりたかったの。でも看護の道で私の目標は聴覚障害のある人たちが看護師になることを可能にし、彼らが病院に入るときや必要な場合に、手助けすることよ。

 

Justina told me before we went on stage before we came on set, she said "I had the attitude of go big or go home". You went big.

このステージに上がる前、ジャスティナは私に言ったんです。「やるからには思い切りやるつもりだ」って。思いっきりできたね。

 

I sure did.

ほんとそうね。

 

Congratulations. Congratulations. Cheering you on. You made us all so proud. Also proud. Justina miles and Alberto, we thank you too. Nice to meet you too.

おめでとう。応援しているわ。本当によくやったね。ジャスティナ・マイルズとアルベルト、本当にありがとう。あなたに会えて嬉しかったわ。

 

聴覚障害者と音楽

そもそも恥ずかしながら、私は聴覚障害の方と音楽の関係を今まで考えたことがありません。彼らは音楽を楽しめるのか、楽しもうと思うのか、音楽を手話で表現することは意味のあることなのか、などなど。そんなところから分かりません。Justina Milesさんのパフォーマンスに感心する一方で、そういうことを考えてました。

 

⇩ある聾学校の生徒が書いた作文。彼にとって音楽がどういうものかを書いてます。心打つ内容です。

http://www.fukui-sd.ed.jp/images/h26bunnkasai/okuda.pdf

 

⇩こんな記事もありますね。

耳ではなく「脳」で聴いている。難聴には音楽がいい? 研究者に聞く、音楽療法の話 - Always Listening by Audio-Technica(オーディオテクニカ)

 

聴覚障害といっても、聞こえないレベルも様々であり、多くの方は健常者と同じく音楽を楽しめます。ただ楽しみ方(楽しむときに働かせる感覚器官)が健常者と全く同じという訳ではないので、歌詞が表示されたり、手話が提供されたり、ということは楽しむ上で大きな助け(補完)になるんだろうなと思いました。

 

最後に

それにしても、Justina Milesさんってインタビュー動画見ても、いい人柄ですよね。今、日本では侍ジャパンのヌートバー選手が話題になっているというのをネットニュースで見ます(こちらでは日本戦は放送されないので、試合での姿は私はまだ見てない)。

 

天真爛漫、ポジティブオーラ全開、一生懸命に取り組む姿。これが二人の共通点かな。簡単そうですが、この3つの要素を備えるの難しいですよね。Justina Milesさんもこの要素を持ってる人なのかなと思いました。私は彼女をきっかけに聴覚障害の方のことを少し学ぶこともできたし。たまには「積極的引きこもり」もいいことにしよう。(っていうか、文字数多すぎですね。ここまで読む人いないですよね笑)

 

それでは、またー

 

⇩先月のSuper Bowlのまとめ記事です。