THE TIME YOU ENJOY WASTING IS NOT WASTED TIME

テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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日本の入国規制緩和と私のロックアウト

(Image Creatorにて作成)



 

 

はじめに

私は現在、日系企業の米国オフィス(テキサス州Austin)に勤務していますが、今週、Austinオフィスに日本から出張者が数名来られました。このタイミングで米国に来るということは、日本の水際対策(入国規制)が緩和されたことが大きな理由の一つです。日本に戻る際に、強制隔離されることがなくなりましたからね。

 

一方で、我々米国に駐在している人間は、コロナ禍の間、全然日本に一時帰国できなかったので、日本から仕事の打ち合わせで米国に来るぐらいだったら、米国の駐在員を日本に出張で一時的に帰国させてくれよ、という気持ちもあります。

 

そんな複雑な気持ちを抱えながらも、やってきた人たちには、空港とホテル、またホテルとオフィスの送り迎えをしてあげないといけないし、お昼や夜は、食事に連れて行ってあげたりも必要です。仕事のみならず、それらの対応でも慌ただしい1週間でした。

 

ディナーの後で

二日目のディナーの後、飲み直したいと言われたので、バーに案内しました。The Brass Tapというビールだけで200種類ぐらい置いている私お気に入りのバーです。私のアパートから徒歩圏内というところも気に入っている理由のひとつです。彼らをバーに案内した後、私は車を一旦自分のアパートに戻して、カバンを自分の部屋に置いてから、急いでバーに戻りました。バーで楽しく飲んで、皆と別れ再びアパートに帰ってきたのが夜の11時ごろでした。

 

アパートの部屋の前まで帰ってきて、部屋の鍵を開けようと思ったのですが、部屋の鍵が見つかりません。この日はビジネスカジュアルな格好だったのですが、ズボン、ジャケット全てのポケットを確認しましたが、鍵がありません。外で鍵を落とすような思い当たる節もなかったので「こりゃ、インキーしちゃったな」とドアの前で呆然としました。

 

私のアパートはオートロックなので、鍵を持たずに部屋から出ると、締め出されてしまいます。バーに行く前にカバンだけ部屋に戻したのですが、ついでにトイレに行って、慌てて飛び出したので、そのときに鍵を部屋の中に置いたままにしたのでしょう。ちなみにインキーは和製英語なので、以降、ロックアウトと言います。

 

私のアパートは夕方まではフロントデスクにアパート管理人がいます。この管理人がいる時間帯はロックアウトしても、管理人に言えば開けてくれます。実際、私は管理人がいる時間帯であれば、これまで2,3回ロックアウトしたことがあります。しかし、管理人不在の夜にロックアウトされたのは今回が初めてでした。

 

夜間緊急連絡

とりあえず、フロントデスクまで行ってみると、夜間緊急連絡先の電話番号がありました。こんなときに限って、携帯の充電が残り10%を切っており、緊張感が走ります。携帯の通話時間を無駄に使うことができないので、頭の中で英語で言うセリフを考えてから電話しました。でも掛けてみると自動音声でした。

 

はっきりと覚えてないですが、「アパートのメンテナンスサービスをご希望の方は1を…」みたいなアナウンスが始まりました。「緊急の方は3を…」と言ったので3を押しました(緊急は3ではなく、1にしろよと思いましたが)。

 

すると、つぎに「お客様の電話番号を入力し、最後にパウンドを押してください」というアナウンスが流れました。今回はフォロードバイパウンドも一発で理解できました。電話番号を押して#を押すと、自動音声で「後ほど担当者から折り返し電話します」と言って切れました。


⬇電話の自動音声、フォロードバイパウンドに悩んだお話はコチラ

 

そして、また不安になります。「ほんとうに折り返し電話掛かって来るんやろなぁ」とか「携帯の充電が切れる前に電話くるんやろなぁ」とか。残り10%を切った携帯電話ほど当てにならないものはありません。なので、この時点で「アパートのロビーで一夜を明かさないといけないかも…」と最悪のことを覚悟し始めました。しかし、幸い5分後ぐらいに見知らぬ番号から電話がかかってきました。

 

電話に出るとすごい独特なイントネーションの英語でした。ほぼ何言ってるのか分かりません。”アメリカあるある”ですが、一部の職業は移民の方が多く従事しているため、そういう方の英語を聞き取るのは私にとっては非常に難易度高めです。とにかく自分がロックアウトされている、ということだけは伝えられたようです。

 

相手の返答はほとんど聞き取れなかったのですが、「14分後にアパートに行く」ということだけは理解できました。と言っても14なのか40なのか聞き取れなかったのですが、電話を切ったあとで、「14分って言うなら15分って言うよな」と思い、きっと40分後に来てくれるんやろうな、と信じて待ちました。

 

救世主、現る

しばらく夜11時を過ぎたアパートのロビーでぼーっと過ごしました。携帯電話も使えないので、文字通りぼーっと過ごしました。この時間でも犬の散歩に出たり、帰ってきたりする人おるんやな、とどうでもいい発見がありました。

 

30分ほど待って、このまま来てくれなかったら、ここで寝ようと寝るべきソファを決めて整え始めました。明日も出張で来た方々と大事な打ち合わせがあるのに、こんなところで仮眠とった状態で出るのつらいなぁ、と思いながら覚悟を決めました。

 

ソファでウトウトし始めた頃に、遠くから話しかけてくる訛りの強い年配のおじさんが現れました。移民系の人で、作業着を来ていたので、すぐに私の救世主やと分かりました。こちらに向かってくる姿は、まるで後光が差してるかのようでした。

 

この救世主とは特に会話はなかったです。無言で一緒に私の部屋の前まで行って、鍵を開けてくれました。それまでは無表情でしたが、鍵を開けたあとで私に笑顔を見せ、「じゃあな!」みたいな感じで去っていきました。私は作業着姿の救世主になんども「ありがとう!」って言いました。

 

部屋に入ると目の前の机の一番手前に鍵が置いてあります。我ながらすごく目立つところに置いてるなと感心しました。結局、アパートに着いてから自分の部屋に入るまでに約1時間かかったでしょうか。

 

ちなみに、あとから調べると夜間のロックアウトの対応は$80(管理人がいる時間帯は無料)かかるとのことでした。結構高いですが、自分のベッドで寝れるのだったら、しょうがないな、とも思います。これまでもロックアウトされる度に、翌日から部屋を出るときに「部屋出るときは鍵チェック!」と頭の中で反芻するのですが、慌てているときは忘れてしまうようです。さすがに$80は痛手なので、もう同じ過ちを繰り返さないために、注意書きをドアに張ることにしました。

 

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最後に

結局、日本が入国の規制を緩和する→日本から出張者来る→飲みに連れて行く→私は車を置いて急いで参加する→ロックアウトされる、という図式です。日本の入国規制緩和の影響が巡り巡って、私がロックアウトされるという結果をもたらしたのです。

 

入国規制の緩和って、多くの方にとって関係無いように見えますが、きっと人の流れが増えるということは今後直接的・間接的に多くの方にいろんな影響をもたらすと思います。良い影響だといいのですが、そうとも限らないと思いますので、みなさんくれぐれもご注意ください。

 

それでは、またー