昨日からブログを立ち上げましたが、まだネタがなにもないので、少し以前を振り返ります。
11月1,2日は「死者の日」でした。死者の日(Día de Muertos)とはメキシコの伝統文化で、日本で言うお盆に近い風習です。私は特に死者の日に詳しいわけではないですが、それをテーマにしたピクサー映画「リメンバー・ミー」は見てるので、なんとなくは知ってます。また、死者の日に施される骸骨メイク(カトリーナメイク)は有名かと思います。いつか本物を見てみたいなと思ってました。
私が住んでいるAustinは、メキシコ国境まで約400kmと非常に近くメキシコ文化も色濃いのですが11月1,2日の夕刻から死者の日の催事があることを知り、仕事終わりに行ってきました。両日ありますが、それぞれ別のイベントです。1日のほうは、Mexican American Cultural Centerというところで、ライブミュージック中心のイベントでした。マリアッチ(メキシコ音楽を演奏する楽団の総称)による「あっー、これメキシコっぽい!」っていう音楽から、おじさんロックバンドのノリノリのラテン音楽までいろいろ聞けました。国民性なんでしょうが、至るところで観客がペアになって踊っていました。おじいちゃんと孫娘と思われる小さな女の子が手をつないで踊っている姿や、カトリーナメイクの女性たちが踊っている姿を見ると、メキシコの文化もええなぁと思いました。
でも、基本は死者を偲ぶ日なので、会場には大きな祭壇(オフレンダ)があります。帰り際、祭壇を見ると最初はなかった人の顔写真がいっぱい飾られていました。どうやら訪れた人が故人の写真を置いているようです。その時、はたと思い出しました。「写真を飾られなくなると死者に二度目の死が訪れる」というリメンバー・ミーに出てきたエピソードを。
2日のほうはSan Jose Cemeteryという墓地が会場です。こちらは墓地でのイベントなので、どちらかというと厳かな感じです。カトリーナメイクした子どもたちがロウソクを持って歩いたり、ステージでの踊りもありましたが、コンチェロスというメキシコの伝統舞踊でした。暗闇の中で見るカトリーナメイクをした子どもたちの姿は、鳥肌が立つほどに感動的で神秘的な光景でした。
「死者を偲びつつ、でも生きてる人間は明るく前向いて過ごしていこうや」というのは人種を超えて人間が行き着く思考なんやろなぁと思います。しかし、その思考の表現の仕方、つまり風習となると、その国らしさが出てくるので、おもしろいなぁと思います。たまたまですが、同じ死者の日のイベントでも、賑やかで明るい感じのイベントと厳かで落ち着いた感じのイベントの両方に触れられて、ほんとによかったです。素敵な二日間を過ごしました。