THE TIME YOU ENJOY WASTING IS NOT WASTED TIME

テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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【2023年10月14日】金環日食を撮影した

(Image Creatorにて作成)



 

はじめに

2023年10月14日(土)ここテキサスで金環日食が観察されました。

私が住むAustinは残念ながら完璧な金環日食は見れないのですが、そうは言っても限りなく金環日食に近い部分日食が観察されるエリアです。

金環日食の撮影に初めてチャレンジしたので、撮影条件のまとめとその結果です。

 

今回の金環日食

ここテキサスでは、10月14日に金環日食がありましたが、さらには来年4月に皆既日食が観察できます。それぞれ観察できるエリアを図示したのが下になります。

 

テキサスで観察される金環日食(2023/10)と皆既日食(2024/4)

 

青ラインが今日の金環日食が観察できたエリアです。青ラインを中心として若干の幅がありますが、この幅の中であれば100%の金環日食が見れます。この幅の外側では金環日食クズレ(つまり部分日食)になります。ちょうどドラえもんの頭の青い部分に似た形ですね。

 

一方、緑ラインは2024年4月8日に起こる皆既日食が観察できるエリアです。同じく若干の幅があります。私が住むAustinは金環日食は不完全ですが、皆既日食は完全に観察できるエリアです。紫色の四角内は今回の金環日食も来年の皆既日食も両方とも完全に観察できるエリアです。

 

今日の金環日食は、車を1時間半ほど走らせれば100%観察できる幅に入ることができるのですが、渋滞に巻き込まれるのも嫌だし、今日のAustinは快晴だったので自宅アパートベランダからのお気楽撮影にしました。

 

FOXのお天気お姉さんによる金環日食ニュース、Austinで太陽の88%が隠れるみたい。

 

撮影準備

●NDフィルター

太陽をカメラで撮影するには、減光フィルター(NDフィルター)が必要になります。太陽撮影専用のNDフィルターも市販されていますが、私は持ってないです。しかし、長時間露光用のNDフィルターは持ってるので、それを使って撮影しました。

左:カメラ設置状態、右:使用したNDフィルター

私が持ってるNDフィルターはBlue Frog FiltersProx3Prox10を各1枚です。2枚重ね合わせると約7,500分の1の減光量になるようです。太陽撮影専用のNDフィルターは10,000分の1以上の減光量があると思うので、ちょっと足りません。でも足らない減光はシャッタースピード、絞り、ISOの調整でなんとかなるかと思いました。

 

来年の皆既日食の撮影に向けて、このフィルターを使って他の条件を確認するのが今回の撮影の重要な目的になります。

 

●撮影条件

レンズは400mmズームを使用しました。2倍エクステンダー持ってますが、ズームしすぎると追従がしんどいなと思って使いませんでした。

 

ISOは64, 絞りは7.1で全撮影固定しました。シャッター速度は太陽が全部見えてる状態で1/4000, 最も食が大きくなった時点で1/1250にしました。撮影しながら画像見てシャッター速度を適宜調整しました。でも後から画像をじっくり見返すと1/4000は適切だったと思うのですが、1/1250はちょっと遅かったです(画像が一部白飛びしてた)。シャッター速度は変更する必要なかったのかも。

 

フィルターは常に2枚つけっぱなしでした。食が進んだらフィルター1枚外した方がいいのかなと思ってたのですが、思ってたほど太陽は暗くならなかったです。88%ぐらいじゃ当たりは全然暗くならないですね。

 

撮影結果

以下撮影結果からの抜粋です。今日の太陽は黒点が2個あるようでした。

 

左から8時05分, 10時36分, 11時15分
左から11時34分, 11時49分, 11時55分(最大食)
左から12時4分, 12時28分, 12時56分

食の大きな太陽は撮影画像が少し白くなり過ぎてしまいました。シャッター速度を遅くする必要はなかったようです。また、最後の写真は太陽がバルコニーの屋根に重なってきて三脚固定では取れなくなってきたので、手持ちに変えてます。なので若干月の方向が他の写真からズレてます。

 

以下の動画は写真を順に並べて擬似動画(パラパラ漫画風)にしたものです。最後の3枚は手持ち撮影に変えたので、月の移動方向がちょっとおかしくなってます。月が変化球のようにコースを変えたわけではありません。

 

 

また、擬似動画の後に、携帯で撮影したタイムラプス動画も付けてます。食の最大時間の前後15分ほどです。もっと世界が暗くなるのかと期待したのですが、全然暗くなりませんでした。

 

食の最大時の前後数分は、世の中が少し黄色みがかった状態になりましたが、その程度。木の影が消えるとか、空が夜のようになるとか、そんな感じにはなりませんでした。もちろん裸眼で太陽を直視できなかったです。太陽は88%が隠されても、ちゃんと太陽でした。

っていうか、食が進んできた太陽の形は私にはドラえもんの頭のシルエットにしか見えなかったです笑。ウォーズマンにも似てるけど、ちょっと違うのよね。

 

おもちゃみたいな太陽観察グラスも使ってみました。ちゃんと見えました。左の写真を拡大してもらえれば、部分食の太陽が確認できます。

 

途中、木陰を撮りました。日食により太陽がリング状になってる時は、ピンホールから通る太陽光もリング状になります。

 

最後に

日食を一眼カメラで撮影したのは今回が初めてです。自分の持ってるNDフィルターでとりあえず問題なく撮影できそうってことが分かったので、これで来年4月の皆既日食も臨めそうです。

 

食が大きくなってきた時のシャッター速度だけ注意する必要がありそうです。何より思ったほど暗くならなかったので、それが誤算でした。でも皆既日食は金環日食よりあたりが暗くなるそうなので、今回の条件がそのまま使えるかどうかは分かりません。ただ注意するポイントは今回の撮影で分かったので、次回に活かそうと思います。

 

それでは、またー

 

▼来年の皆既日食のお話▼


▼昼間にNDフィルター使った撮影のお話▼