THE TIME YOU ENJOY WASTING IS NOT WASTED TIME

テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

English ←Translate this blog into English by Google



Viva la Vida 2022からメキシコを知ろう

(Image Creatorにて作成)

 

Viva la Vida 2022

10月29日(土)はAusitnのダウンタウンで開催されたViva la Vida 2022 Festivalというイベントに行ってきました。Viva la Vidaとはスペイン語で「長生きする人生」という意味だそうです。別にViva la Vidaというお祭りが米国全体にあるわけではありません。Austinが命名したお祭りです。

 

ホームーページの説明を見ると、『Día de los MuertosとCeltic festival of Samhainを一緒に祝っちゃおうよ!』って書いてます。原文は、As part of the Viva la Vida festival, we’ll be celebrating Día de los Muertos and the Celtic festival of Samhain. です。

 

Día de los Muertosとは「死者の日」というメキシコ起源であり、この時期に開催されるお祭りのことです。Celtic festival of Samhainとは、ケルト人のお祭りサウィン祭のことで、いわゆるハロウィンのことです。Halloween(ハロウィン)を辿っていくと、その起源はゲール語(古アイルランド語)でSamhain(サウィン)と呼ばれていたそうです。

 

「死者の日」と「ハロウィン」

この二つの祭事の起源は全く異なるのですが、開催される日がたまたま近いし、spooky(不気味な)な雰囲気も似てるので、この辺では一緒くたに扱われることが多いです。

 

「ハロウィン」は10月31日です。そして、ジャックオーランタンや骸骨などを飾ります。また悪魔を追い返すために、不気味な格好に仮装したりします。一方、「死者の日」は11月1, 2日です。同じくシュガースカルと呼ばれる骸骨を飾ったり、カトリーナメイク(男性はカトリンメイクと言う)という骸骨風のメイクを施したりします。

 

メキシコで、この両日はご先祖さまの魂を迎え入れる日なので、日本のお盆に似ています。英語ではDay of the Deadですが、メキシコはスペイン語圏なので、Día de los Muertosと表記されることが多いです。お盆を英語では、Festival of the Deadと当てられることもあるので、英語にしちゃうとお盆は死者の日とほぼ同じですね。

 

私もAustinに住み出した頃は、「死者の日」と「ハロウィン」の違いがイマイチ分かっていなかったのですが、今ははっきり違いがわかります。ただ、ハロウィンは米国全体で盛り上がるイベントだと思うのですが、死者の日が米国全体で盛り上がるイベントなのかどうか私は分からないです。テキサスはメキシコに隣接していることもありメキシコ系の方が非常にたくさん住んでいるので、ここAustinでは盛大に祝われてます。ヒスパニックと言う分類はメキシコ以外も含みますが、全米でヒスパニックの割合は2割弱ですが、テキサス州に限れば、約4割、Austinに限れば、約3割です。

 

こういう紛らわしいイベントなのですが、ホームページ上で「一緒に祝っちゃおうよ!」と宣言するところは潔いですね。

 

イベント(パレード)

会場はAustinのダウンタウンのど真ん中を走るCongress Avenueでした。

 

 

ちょうど正午にCongress Avenueでパレードがあると書いてあったので、パレードに間に合うように現地に行きました。パレードは12時すぎから13時半ごろまでありました。

 


まあ、ゆるーい感じのパレードでした。でもカトリーナメイクしている人たちがいっぱい見れたので、それは満足です。私、カトリーナメイクが大好きなんです。

 

あと、パレードの動画の中にも出てきますが、死者の日のイベントには蝶がモチーフとしてたびたび登場します。この蝶はオオカバマダラ(monarch)と言う渡り鳥ならぬ渡り蝶です。春、夏には主に米国にいるのですが、この時期にメキシコに渡ります。メキシコの人にとっては、ご先祖さまの魂が戻ってくる時期に合わせて現れる蝶なので、神聖視されています。そして、この蝶はメキシコの法律で特別保護(special protection)されてます。神聖視されてるからじゃなく、個体数が減少し、絶滅危惧種リストに載ったからですけどね。

 

以下は動画に含まれてないパレードの写真、いくつかです。

オオカバマダラがいっぱい

 

カトリーヌがいっぱい1

 

やる気なさそうな子供の顔も可愛い

 

カトリーヌがいっぱい2

 

イベント(ダンス)

パレードの後は、広場(普段は駐車場)で先ほどパレードに参加していたダンスチームによるダンスの披露がありました。これはなかなか見応えがありました。

 

●コンチェロス(Concheros)

まずはメキシコ民族舞踊の一つ、コンチェロス(Concheros)です。メキシコで最も古く、そして、大切なダンスであるようです。スペインがメキシコを征服したのが16世紀。スペインは原住民の文化を全て排除しようとしたようですが、ダンスは完全には排除できなかったそうです。そして、途切れることなくアステカの時代から脈々と踊られているのがこのコンチェロスだそうです。ダンスが淘汰されなかったって、いい話ですよね。この踊りがアステカの血なんでしょうね。

 


動画には3曲?のコンチェロスが入ってます。どれも同じように聞こえますが、太鼓のリズムが微妙に違います。私が聞く限り、

1曲目:タン、タン、タン、タタタタン
2曲目:タン、タタタタタタ
3曲目:タン、タン、タン、タン

です。「だから、なんやねん」と言う話ですが、もしこのダンスチームに入ったら、太鼓以外の楽器がないので、太鼓のリズムだけでどの踊りかすぐに判断しないとダメですからね。今から意識しておこうと思って。

 

コンチェロス男性編:左の男の子も数十年後には右になるんやろか。

あと、明確に曲の開始・終了があるわけではなく、太鼓がリズムを刻みながら、なんとなく気分が盛り上がってダンスが始まり、なんとなく疲れたから終わっていく、みたいな感じが面白いですね。

 

コンチェロス女性編:「死者の日」あるある。反抗期はカトリーナメイク薄くなりがち。

 

バイレフォルクロリコ(Baile/Ballet Folklorico)

そして、もう一つのメキシコ民族舞踊のバイレフォルクロリコ(Baile/Ballet Folklorico)です。こちらのダンスはスペインの影響を強く受けているようです。バレエの要素を入れた庶民的なフォークダンスで、衣装や用いられる楽器にスペインの影響を色濃く受けているようです。

 


影響を受けていると言っても、現代人は影響を受けた後の結果しか知らないわけで、マリアッチが奏でる曲の雰囲気から、「あー、メキシコっぽい」と思います。

 

こちらもいくつか写真でも撮影したので、追加しておきます。

Ballet Folklorico

お面もいいんですけどね。やっぱり、カトリーナ・カトリンメイクをして欲しいな。元の顔がはっきりとは分からないけど、何となく分かるって言うのが、いいのに。お面だと全然分からないから。

 

左:Ballet Folklorico、右:観客

●その他

小さいステージがあったのですが、そこでCostume Contest(仮装大会)が開かれてました。子供のカトリーナ、カトリンは本当に可愛い!

 

Costume Contest、左:カトリーナの部、右:カトリンの部

 

下の写真の左側は、カトリーナ・カトリンのメイクブースです。7、8人の描き師がいましたが、すごい行列でした。大人$10、子供$5。行列に並ばなくていいなら、私もやってもらいたかったけどな。

 

右はオフレンダという祭壇です。このイベントでのオフレンダは簡易的なものでした。写真も飾ってなかったし。オフレンダのお話はまたいずれ。

 

左:メイクブース、右:オフレンダ

 

最後に

先週のインド文化に続き、今週はメキシコ文化に触れました。インドもメキシコも本当に好き。いつか「死者の日」に合わせてメキシコに行きたいな、と思いました。

 

それでは、またー

 

⇩こんなの見つけた。メキシコにおけるオオカバマダラの意味合いをなぜかウィルスミスが解説している動画


⇩去年、私が「死者の日」に参加した際の報告はコチラ


⇩オオカバマダラを撮ったお話はコチラ