THE TIME YOU ENJOY WASTING IS NOT WASTED TIME

テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

English ←Translate this blog into English by Google



2月のオースティン・トレイル / Yett Creek Neighborhood Park

 

はじめに

米国では、昨日NFLスーパーボウルが開催され、途中逆転もある接戦で、最後までどちらが勝つか分からない白熱した試合を繰り広げました。

また、本日はバレンタインデーです。私は正月に日本に一時帰国していましたが、その時に奥さんから「ちょっと早いけどバレンタインデーの」とチョコを預かっていました。今日、ようやく箱を開けて少し頂きました。美味しかったです。

 

というわけで、NFLであったりバレンタインデーであったりの記事は書けそうな気はするのですが、それについては書かず、今日はトレイルで見つけた鳥と虫の話です。あえて過酷な道を選択します。

 

 

Yett Creek Neighborhood Park

Yett Creek Neighborhood Parkは私のアパートから車で10分足らずで行ける近場のトレイルです。Austinに住み始めてから、平均月2回ぐらい通っていると思います。週末に暇ですることがなければ、このトレイルに行ってます。

 

そんな頻繁に行くような魅力的なトレイルか?と言われれば、全然違います。むしろ、住宅街の中にある小さい、これといった見所のないトレイルです。ただ、小さいと言ってもトレイルなので、鹿やうさぎ、野鳥などの野生動物を見かけるし、トンボや蝶も季節になればいっぱい見れます。

 

なので、このトレイルに限っては写真はオマケで、自然の定点観察を主な目的として通っています。

この季節にこの花が咲くとか、この季節にこのトンボが出てくるとか、この季節にこの鳥をよく見る、というのを知るために通っています。

もうかなりの回数通っているので、行くたびに新たな発見があるってわけではないのですが、それでも何回かに一回は発見があります。

なんでそんなことすんの?と聞かれれば、「うーん、それが好きだから」としか答えられないのですが。

 

今日は、この2週の週末にこのトレイルで発見した事を書こうと思います。

 

カロライナコガラ

カロライナコガラ(Black-capped Titmouse、漢字では小雀と書いてコガラと読む)は、アメリカ東部に広く分布するスズメ目シジュウカラ科の小さな鳥です。年中を通してこの辺のトレイルで一番よく目にする鳥の一つです。

 

この週末に初めてこの鳥が巣作りしている姿を目撃しました。シジュウカラ科の鳥なので、てっきり既にある木の穴(うつろ)を利用したり、自分で小枝を集めてきて巣を作るタイプの鳥かと思っていました。

f:id:ATX_Domain:20220214101812j:plain

嘴にかき出した木屑を咥えてます

しかし、今日目撃したのは、自分で木に穴を開けて巣を作る姿でした。木に穴を開けて巣を作るのはキツツキ目の専売特許かと思っていたのですが、そうじゃないんですね。

似たような名前でコゲラという鳥がいます。名は似てますが、コゲラはキツツキ目なので、木に穴を開けるのは知っていたのですが、コガラもそうだったとは!

f:id:ATX_Domain:20220214101818j:plain

木屑をパァッと飛び散らせてました。豪快でした。

木に穴を開けることができるって鳥界ではかなりの特殊能力者だと思うので、それができるコガラはもはやキツツキ目に入った方がいいのでは?と思うのですが、なぜかスズメ目なのです。

 

f:id:ATX_Domain:20220214101828j:plain

犬(シュナイダー)の顔っぽくないですか?でも、これコガラのお尻なんです

せっかくなので真面目に調べました。

自分で木に穴を掘って巣とする動物を「一次樹洞営巣種」と言い、他の動物が掘った木の穴や最初から木にある穴を利用する動物のことを「二次樹洞営巣種」と言うそうです。

キツツキ目の鳥やコガラは一次樹洞営巣種に該当します。他のシジュウカラ科の鳥、ムクドリ、一部のフクロウなどは二次樹洞営巣種のようです。鳥だけでなくモモンガ、アオダイショウ(ヘビ)なども二次樹洞営巣種とのこと。

一次樹洞営巣種は、樹洞を森林に提供するという点で、重要な役割を果たしているそうです。なぜなら一次樹洞営巣種がいない森林には、二次樹洞営巣種は住めないわけですから。

やはり特殊能力者には、それ相応の責任が課せられているわけですね。

 

冬でも見れる蝶3種

先週と今週で同じYett Creek Neighborhood Parkで3種の蝶を見つけました。例年、冬は数はグッと減ってしまいますが、探せば蝶は1月、2月でも見つけることができます。

この時期はほとんど花も咲いてないし、どうやって栄養補給してるのかな?と思うのですが、きっと何かしらの液体から栄養摂ってるんでしょうね。

 

一つ目はオオアメリカモンキチョウ(Orange Sulphur)。逆に成虫は真夏には出てこない蝶です。春、秋、冬に見ることができます(冬はまれ)。

f:id:ATX_Domain:20220214102741j:plain

オオアメリカモンキチョウ(Orange Sulphur)

 

二つ目は、ヨーロッパアカタテハ(Northern Red Admiral)。こいつもオオアメリカモンキチョウと同じく、真夏に成虫を見ることはありません。春、秋、冬に見ることができます(冬はまれ)。

日本にもアカタテハはいます。ほぼ同じ模様ですが、オレンジ色の帯の雰囲気がちょっと違いますね。

f:id:ATX_Domain:20220214102735j:plain

ヨーロッパアカタテハ(Northern Red Admiral)

 

三つ目は、ギモンフタテハ(Question Mark)。こいつは春から秋の蝶で冬場は基本出ないはずなんですが、出てきてました。成虫越冬でしょうね。日本のキタテハに似た感じです。

それにしても変わった名前じゃないですか?ギモンフタテハって。英名はクエスチョンマークっていう名前なので、文字通り「?」が名前になってます。

f:id:ATX_Domain:20220214102729j:plain

ギモンフタテハ(Question Mark)

 

実はこの蝶は翅の裏に「?」の模様があるのです。その模様からギモンフタテハと名付けられています。

私は翅を閉じたところを見たことも撮ったこともないのですが、興味ある方は下記サイトをご覧ください。

Question Mark Butterfly range size, habits, photographs, identifying marks

 

名前以上にこの蝶がカッコいいのは、尾状突起があるところです。尾状突起とは後翅の左右にある棒状に飛び出したところです。日米共にアゲハチョウでは普通に尾状突起は観られますが、日本のタテハチョウにはこのような突起はないと思います。

タテハチョウのくせに、立派な尾状突起を持っているところがアメリカンですね。日本のタテハチョウがギモンフタテハと遭遇したら「あいつ、かっけぇな!!」って絶対なるでしょうね。

 

冬でも見れるトンボ

日本では、オツネントンボというイトトンボが成虫越冬(成虫のまま冬を過ごすこと)することは知っているし、見たこともあるのですが、Austinで成虫越冬するトンボがいるのかどうか、わかりませんでした。

今まで1月、2月にトンボを見たことがありませんでした。12月、3月は見れます。しかし、今日初めて2月にトンボを1匹見かけました。

 

調べたところRobust Pink Skimmerという名前のようです。このRobust Pink Skimmerは、メインは秋のようですが、一部冬でも出てくるようです。多分成虫越冬だろうと思うのですが、正確なところは分かりませんでした。

f:id:ATX_Domain:20220214105126j:plain

Robust Pink Skimmer、普段なら採用しないピンボケ写真なのですが、唯一撮れた1枚なので、証拠写真として採用します。

 

ちなみに何故か蝶に関しては、アメリカにいる蝶の多くに和名が付いているのですが、トンボに関しては和名がありません。

これも前々から不思議に思っていて、なぜ蝶には和名があって、トンボにはないのか調べたこともあるのですが、答えが見つけられず、まだ謎のままです。

きっと日本蝶類学会の人が頑張ったんだろうなと想像しているのですが、証拠が見つかっていません。もし蝶類学会関係者の方がこれを見てたら、ぜひ答えを教えてください。

 

最後に

ここまで読んでくださる方いるのでしょうか?「どーでもええわ!」って声が聞こえてきそうです。

 

しかし、私は思うのです。生活や仕事に直結する「知ってお得」的な情報ももちろんいいのですが、知らなくても生活・仕事なにも困らない、知ったところで何も得しない情報を知ることに楽しみを見出すことが、お金では買えない豊かさの一つなのかなーと。

 

私は鳥や虫の写真撮りながら、こんなこと考えてる時間が一番楽しいのです。春になるとこういう系の話題が増えると思うのですが、よろしくお付き合いください。

 

それでは、またー

 

⇩コチラは1月のトレイルレポートです。虫・鳥じゃなく景色写真です。