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入国時の陽性者について考える

今回、私の搭乗した飛行機便から陽性者が出ました。これについて少し考えみたいと思います。

 

厚生労働省のHPによると私が帰国した12月19日に関空に到着した飛行機から合計8名のコロナ陽性患者が関空でのPCR検査で発覚しています。

厚労省のHPでは、どの便に何名という情報は記載してくれてませんが、どの国から来た人というのは記載しています。米国から来た人で陽性になったのは6人です。この日、関空には米国からJAL・ANA1本ずつ、合計2本の国際線が到着しています。ざっくり1便に200名が乗っていたとして、合計400人が同日に米国から関空に入国したと考えられます。

つまり、この400人のうち6名が関空のPCR検査で陽性と判断されたと言うことです。陽性率は1.5%です。

www.mhlw.go.jp

一方、現在、日本に入国するためには、出国する前3日以内のPCR検査の陰性の証明書が必要です。つまり、この400人はほんの3日前には陰性であることが証明されている人たちです。3日前に陰性が証明された人が3日後に1.5%の頻度で陽性になるってことはあり得るのでしょうか?

 

今日時点で米国では直近1週間のうちに827,506名の新規陽性者が発生しています。これは米国の人口比率で考えると約0.25%です。つまり、1週間前にPCRを受けて陰性でも、1週間後にPCRを受けて陽性になる人が0.25%ぐらいはいる、と考えて良さそうです。

飛行機の搭乗条件は3日前なので、さらにこれを3/7して、0.1%ぐらいが妥当なところでしょう。しかし、実際は1.5%が陽性に転じています。想定される陽性率より15倍の開きがあります。一体これは、どういうことでしょう?

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12/21/2021時点の米国での過去7日間の新規感染者

 

色々な要因があると思いますが、私は自分が米国出国から日本入国までの流れを経験して、「これが要因ではないかな」と思っていることがあります。厚労省も保健所も小池さんも、誰も実際に自分が海外から日本に入国して、一連の煩わしい手続きを経験してないでしょう。自分たちが考えたシステムがよく出来てるときっと思っているのでしょう。全然、そんなことないですからね。

 

一番の問題、それは「日本政府が独自のPCR検査結果を記載するフォーマットを用意し、そのフォーマットに記載しないとPCR検査結果として認めない」というやり方を採用していることにあると思っています。

 

私も米国出国前にPCR検査を受けて、日本政府が指定するフォーマットに結果を記載してもらって受け取りました。しかし、それは検査機関がPDFフォーマットの上に上書きして、メールで結果を送ってきます。

 

つまり、メールで結果を受けた後、結果をいくらでも編集できるのです。名前、パスポート番号、日付を編集することができるので、自分用に改ざんできるだけでなく、他人にあげることもできます。もっと悪意ある人なら、自分が一度得た証明書を偽造して、偽の陰性証明書を作成し、他人に実際の検査費用よりも安い値段で売ってあげることもできるでしょう。

一方、検査機関独自の検査結果も送ってきてくれるのですが、それはPDFで編集できる形式ではありません。なので、そちらの方が証書として、より信頼度は高いと思いますが、それは日本政府が受け付けてくれません。

日本政府は、英語だけで記載されている証明書を見せられても、内容を理解するのが難しいので、日英併記の独自のフォーマットを使っているのだと想像します。

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日本政府が指定しているフォーマット。記載されている結果の全ての文字列、チェックが編集可能

 

私は米国で一つの検査機関しか使ったことないので、他もそうなのかどうか分かりませんが、たまたま使った検査機関がそういうやり方をしているということは、他にもいっぱいあるのでしょう。そもそも検査機関からしたら、自分たちのフォーマットが「正」やと思っていることでしょう。「副」である他国のフォーマットを印刷して、手書きで結果を書き込んで、もう一度スキャナで読み込んで、それをメールで送って、ってそんな手間のかかることをやってくれる人たちじゃありません。

 

実際、私は陰性でしたが、もし陽性の結果を受け取ってしまったら、チェックの位置が変更できるので、「チェックを陰性の方に変えよかな」と言う誘惑に負けたかもしれません。だって、判明するのが出発の3日前ですから。すでに航空券も買っちゃってるし、お土産いっぱい買っちゃってるし、何よりも日本に帰りたいし。「検査結果を改ざんして、とりあえず日本に入国しちゃおう」と考える人がいても不思議ではありません。

 

もちろん、こういう人がいたら許されないと思うのですが、何よりもまずいのはそれが出来てしまうシステムであることです。証明書は日本政府が作ったフォーマットを使うのではなく、その施設オリジナルの証明書を使うべきです。どうしても日英併記を維持したいなら、「副」として施設オリジナルの証明書の提出も義務付けてください。そして、Positive, Negativeと言う単語だけ覚えておいて、そこにNegativeと書かれていることだけを確認してください。

 

そして、米国がやっているように検査実施日を出国3日前ではなく、1日前と厳しくするべきです。この2つの対策をするだけで、現状の約1.5%の陽性率が少なくとも0.1%以下にまで落とすことができるでしょう。濃厚接触者と言うなんだかよく分からない巻き込まれ被害者の数も15分の1以下になるはずです。

 

日本に帰国する人にとって検査を1日前にするって結構厳しい条件なんですが、入国してから濃厚接触者になるぐらいだったら、1日前の厳しい条件を飲む方が断然マシでしょう。

 

このイケてないシステムの本質的な問題は、日本政府(厚労省 / 検疫所)が英語が苦手、自分たちのシステムを過信している、というところに行き着くと思います。ウイルスに国境はないし、言語は関係ないんです。世界はもっとずる賢いのです。証明書の日英併記に拘っている以上、いつまでも鈍臭いシステムのままでしょう。

 

ちょうど今日こんなニュースがありますね。彼らに教えてあげたいわ…

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