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テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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白雪姫で振り返る美術史(後編)

(Image Creatorにて作成)



はじめに

「白雪姫で振り返る美術史」の後編です。前編はコチラです。

前編ではメソポタミアから19世紀(印象派、ジャポニズム)までを振り返ったので、後編ではそれ以降の美術史・絵画史を追っていこうと思います。20世紀以降は、画家の個性が爆発していきますので同じ絵画様式に分類されるといっても画家によって絵画の雰囲気が全く異なります。ですから前編からの変更点として「絵画様式+代表画家名」を指示して絵を描かせています。

ここに挙げる各様式や個性の選択には私個人の趣味が多分に影響しているので、近年美術史の一例程度に受け止めてください。

 

 

19世紀後半から20世紀前半

● ポスト印象派 (Post-Impressionism)

ポスト印象派は1880年代から活躍した画家たちを指す言葉で、主にフランスを中心に活動しました。ポスト印象派の画家たちは、印象派の影響を受けつつも、それぞれが独自の表現を追求しました。

白雪姫+ポスト印象派+Vincent van Gogh

そのため一概にポスト印象派と言っても画家によって作品のスタイルは異なります。上の絵ではゴッホ風という指示を追加して描かせています。

参考:Post-Impressionism art - Google 検索

 

● 新印象派 (Neo-impressionism)

新印象派とポスト印象派は、どちらも印象派の後に生まれた芸術運動ですが、その目指すところや表現方法には大きな違いがあります。新印象派は、印象派の色彩理論をさらに科学的に突き詰め点描という技法を開発しました。

白雪姫+新印象派+Georges Seurat

新印象派の画家たちは、観賞者に与える効果を予測して色や技法を使いました。

参考:Neo-impressionism art - Google 検索

 

● 象徴主義 (Symbolisme)

象徴主義は1870年頃のフランスとベルギーに起きた文学運動および芸術運動です。象徴主義の特徴は、目には見えない精神的な世界を表現しようとしたことです。象徴派は事物を忠実には描かず理想世界を喚起し、魂の表現や感覚を探求しました。

白雪姫+象徴主義+Gustave Moreau

参考:Symbolism art - Google 検索

 

● キュビズム (Cubism)

キュビズムとは20世紀初頭にパブロ・ピカソジョルジュ・ブラックによって創始された現代美術の動向です。ルネサンス以来の「単一焦点による遠近法」の放棄、形態上の極端な解体・幾何学化・抽象化をその特徴としています。

白雪姫+キュビズム+Pablo Picasso

キュビズムは特定の視点から見た物を静的に表現するのではなく、見ることの運動性を喚起するものでした。

参考:Cubism art - Google 検索

 

● 表現主義 (Expressionism)

表現主義は感情を優先して作品に反映させる芸術の傾向のことで、20世紀初頭にドイツを中心に発展した芸術運動です。表現主義の絵画では、色彩や形態を極端に歪めて、画家自身の心の内部の世界を表現しました。

白雪姫+表現主義+Edvard Munch

この絵の画家はAIくんなので、AIくんが「人間になりきれない苦悩」を表現しています(ウソです)。

参考:Expressionism art - Google 検索

 

● アール・ヌーヴォー (Art nouveau)

アール・ヌーヴォーは、自然の美しさを表現した有機的なモチーフと、鉄やガラスといった当時の新素材の利用が特徴です。19世紀末から第一次世界大戦勃発までの約20年間に流行しました。代表的な画家にはアルフォンス・ミュシャ、グスタフ・クリムトなどがいます

白雪姫+アール・ヌーヴォー+Gustav Klimt

参考:Art nouveau - Google 検索

 

● アール・デコ (Art Déco)

アール・デコは、直線や幾何学模様を多用したモダンなデザインと大量生産に対応した合理的なデザインが特徴です。第一次世界大戦後の1910年代半ばから1930年代にかけて流行しました。

白雪姫+アール・デコ

アール・デコはアール・ヌーヴォーになんとなく似てますが、アール・ヌーヴォーの装飾性を否定する反動として生まれた芸術運動です。

参考:Art Déco - Google 検索

 

● シュルレアリスム (超現実主義, Surrealism)

シュルレアリスムとは、20世紀初頭にフランスで起こった文学・芸術運動で、無意識や夢の世界を表現しようとしたものです。フロイトの精神分析とカール・マルクスの革命思想を思想的基盤とし、理性や常識を超えた人間の解放を目指しました。

白雪姫+シュルレアリスム+Salvador Dalí 

代表的な画家はサルバドール・ダリです。やはりシュールな絵になりますね。日本語で使われる「シュール」はシュルレアリスムが語源です。元々は「超現実的な、奇抜な」という意味のようです。

参考:surrealism art - Google 検索

 

● マルク・シャガール (Marc Chagall)

シャガールの絵画は、一つのジャンルに分類するのは難しいといわれています。というのも彼はキュビズムやシュルレアリスム、象徴主義など様々な芸術運動の影響を受けながら自身の独自の画風を貫いたからです。

白雪姫+Marc Chagall

でも個人的にはシャガールは入れておきたいと思い、シャガール風という指示を入れて描かせました。上に挙げるのは一例ですが、AIが描くシャガール風絵画はどれも美しく、ヨーロッパの絵本にありそうな絵をいとも簡単に量産します。

参考:Marc Chagall art - Google 検索

 

20世紀後半以降

● 抽象表現主義 (Abstract expressionism)

抽象表現主義とは、1940年代後半から50年代にかけてアメリカで発展した感情を表現したスタイルで、無作為のキャンバスに線や色を描いた画家が活躍しました。

白雪姫+抽象表現主義+Jackson Pollock

本来特定のモチーフを表現するのではなく、いろんな色を塗りたくる芸術なので、白雪姫というテーマを与えて描かせるというのはそもそもこの主義に反しているように思います。「AIが描いたらこうなる」というだけです。

参考:Abstract expressionism art - Google 検索

 

● ミニマル・アート (Minimal Art)

ミニマル・アートとは、視覚芸術におけるミニマリズムの一種で、装飾的・説明的な部分をできるだけ削ぎ落とし、シンプルな形と色を使用して表現する彫刻や絵画のことです。1960年代に主にアメリカで展開されました。

白雪姫+ミニマル・アート

先行する抽象表現主義を批判的に継承しつつ、抽象美術の純粋性を徹底的に突き詰めました。

参考:Minimal Art - Google 検索

 

● 新表現主義 (Neo-expressionism)

ネオ・エクスプレショニズムとは、1970年代後半から80年代にかけて、アメリカ、ドイツ、イタリアなどで興った新しい具象絵画の動向です。コンセプチュアル・アートやミニマル・アートに対する反動として、人物像や歴史的・神話的主題などを荒々しい表現主義風の筆致で描くスタイルが若手作家を中心に世界的に隆盛しました。

白雪姫+新表現主義+Jean-Michel Basquiat

参考:neo-expressionism art - Google 検索

 

● ポップアート (Pop art)

ポップアートとは、現代美術の芸術運動のひとつで、大量生産・大量消費の社会をテーマとして表現するものです。雑誌や広告、漫画、報道写真などを素材として扱います。ポップアートは、1950年代半ばのイギリスでアメリカ大衆文化の影響のもと誕生しましたが、1960年代にアメリカでロイ・リキテンスタインやアンディ・ウォーホルなどのスター作家が現れ全盛期を迎え、世界的に影響を与えました。

白雪姫+ポップアート+Andy Warhol

参考:pop art - Google 検索

 

● グラフィティアート (Graffiti art)

グラフィティアートとは、スプレーを用いて壁や電車などに文字や絵を描くアート手法です。グラフィティアートの歴史・ルーツには諸説ありますが「アート」として認識されるようになったのは1970年代頃アメリカ・ニューヨークからとされています。街の壁や地下鉄などに描かれ、落書きのようなものもあれば、差別問題などメッセージ性の強いものも表現されていました。

白雪姫+グラフティアート+Banksy

参考:Graffiti art - Google 検索

 

● コンピュータアート (Computer art)

コンピュータアートは作品の制作や展示にコンピュータが重要な役割を果たす芸術の一種です。現在ではコンピュータを使用したアートは多様に拡大しており、「コンピュータアート」という名称は、すでに時代性をもったものと考えられます。

白雪姫+コンピュータアート

参考:Computer art - Google 検索

 

最後に

白雪姫をモチーフにしてメソポタミア美術から21世紀美術までをざっと振り返りました。AIに描かせている架空の絵画ですが、それぞれの絵画様式の特徴がなんとなく理解できるし、それぞれ見入ってしまう魅力を持っています。古典絵画には古典の良さがあるし、近代絵画には近代絵画の良さがあります(正確には全てコンピュータアートですが笑)。

 

これだけの絵を描かせていると自分の好み(印象派およびその流れを汲む絵画が好みとか)を再認識できるし、キュビズムがその後の絵画に与えた影響、時代の流れによる融合と破壊などを感じることができます。なにより、こんなことやってると美術館に行ってほんまものに触れたくなりますね。人間の作品に興味を持つ手段としてAI絵画を活用するのは、いい活用方法だと思います。

 

これが2023年最後の投稿です。2024年もよろしくお願いいたします。

2023年12月31日

 

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