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テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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白雪姫で振り返る美術史(前編)

(Image Creatorにて作成)

 

はじめに

相変わらず日本に帰国中にも関わらず遠出するわけでもなく家でダラダラ過ごしています。M1は敗者復活から決勝戦まで全て見ました。そんな年末です。暇な時間は飽きもせずImage Creatorで遊んでいます。

 

「Image Creatorの有効な使い方がないかな」と考えて一つ思いつきました。「歴史上のあらゆる絵画様式に同じテーマを与えたら、それぞれどんな絵になるかな」ということです。当然のことながら、時代や場所が変わると描かれる絵の対象や技法は異なります。そこに、同じ対象物にロマネスク美術やロマン主義の絵画の特徴を与えたらどうなるかなってことです。

 

私のように美術史に疎い人間でも、誰もが知っている共通するテーマで歴史上の絵画を表現することができたら、もっと楽しく絵画史・美術史の流れを把握することができるんじゃないかと思ったわけです。AIが発達したからこそ可能になった絵画史・美術史の振り返り手法です。

 

手順

共通するテーマを何にしようかと考えて「白雪姫」(Snow White) にしました。”女性のほうが絵画対象に向いてる”ってことや”ネットにたくさん情報がある”であろうこと、また”著作権的に問題ない”であろうことから白雪姫を選びました。白雪姫っていうお題だけをImage Creatorに与えた画像が以下になります。

白雪姫

白雪姫

次に「白雪姫をロマネスク絵画で表現して」とか「印象派絵画で表現して」のように歴史上の絵画様式を条件として付与していきます。そうやって描かせた白雪姫を歴史的に古いものから見ていきましょう。

 

メソポタミア美術

メソポタミア美術 (Mesopotamian art)とは、紀元前3500年から紀元前330年までの間に、チグリス・ユーフラテス川流域で栄えたメソポタミア文明の美術のことです。メソポタミア美術は、後世の美術に多くの影響を与えた最古の文明の美術と言われています。

白雪姫+メソポタミア美術

大理石を使った小規模な建築や彫刻が発展し、ギリシャ美術の礎となったそうな。白雪姫をメソポタミア美術風に表現したのが上の絵になります。

 

参考:Mesopotamian art - Google 検索

 

ビザンティン美術

ビザンティン美術 (Byzantine art)とは、5世紀から15世紀の東ローマ帝国で発展した美術洋式です。ビザンティン美術は古代のギリシア美術、ヘレニズム美術、ローマ美術を継承しつつ、東方的、キリスト教的要素を含んだ独特な体系を産みました。

白雪姫+ビザンティン美術

ビザンティン美術において聖画像を「イコン」と言うようですが上の絵はイコンの影響を強く受けているんだと思います。

 

参考:Byzantine art - Google 検索

 

ロマネスク美術

ロマネスク美術 (Romanesque art)は、10世紀末から12世紀にかけて西ヨーロッパで広まった中世の美術様式です。ロマネスクとは「ローマ風」という意味で、古代ローマ建築の影響を受けた重厚な石造りの建築や半円アーチ、ヴォールトなどが特徴です。

白雪姫+ロマネスク美術

メソポタミア美術とロマネスク美術の間にはさらにギリシャ美術、ローマ美術などの分類があるようですが、なんとなーくメソポタミア美術からロマネスク美術へと流れを感じることができます。

 

参考:Romanesque art - Google 検索

 

ゴシック美術

ゴシック美術 (Gothic art)とは12世紀から15世紀にかけてヨーロッパで発展した中世美術のことです。ゴシック絵画は、ゴシック建築と同様にビザンティン美術やロマネスク美術からの逸脱として始まりました。

白雪姫+ゴシック美術

ゴシック美術では、それまでの象徴的・抽象的なロマネスク美術に対して人間的・写実的に表現するようになりました。一方でロマネスク美術やビザンティン美術を上手く融合しているように思います。

 

参考:Gothic art - Google 検索

 

ルネサンス美術

ルネサンス美術 (Renaissance art)とは14世紀から16世紀にかけてイタリアを中心にヨーロッパで発展した美術のことです。ルネサンスとは「再生」や「復興」という意味で、古代ギリシア・ローマの文化や思想を再発見し、人間や自然をリアルに描こうとする動きが起こりました。

白雪姫+ルネサンス美術

解剖学や光学などの科学的知識が発展したため、それらを活用して人体や物体の正確な形や質感が描かれました。また宗教的な題材だけでなく神話や歴史、風景などの多様な題材が扱われました。

 

参考:Renaissance art - Google 検索

 

バロック美術

バロック美術 (Baroque art)とは16世紀末から18世紀初頭にかけて、ヨーロッパで発展した美術のことです。バロックという言葉は宝石のいびつな形を指すポルトガル語のbarrocoから来ているという説が有力です。フランスの古典主義者たちが、この時代の芸術を奇妙で異様なものとして蔑称として使い始めたのが最初です。

白雪姫+バロック美術

劇的でインパクトを求めたのがバロック絵画の特徴のようです。よりドラマチックに表現されているものが多いようです。写真でも普通の撮ったまま写真ではあきたらず、色など派手に加工したくなりますが、撮ったまま写真がルネサンス美術、派手派手加工がバロック美術と言えるでしょう。

 

参考:Baroque art - Google 検索

 

ロココ様式

ロココ様式 (Rococo)とは、18世紀前半にフランスで発展した美術や建築の様式のことです。バロックから派生したもので軽やかで優美な装飾や色彩が特徴です。

白雪姫+ロココ様式

ロココ様式はひとことで言うと「ベルサイユのばら」の世界観です。全てがゴージャスなお姫様の世界。

 

参考:Rococo art - Google 検索

 

ロマン主義

ロマン主義 (Romanticism)とは18世紀末から19世紀にかけてヨーロッパで発展した芸術運動のことです。ロマン主義は、古典主義や合理主義に反抗し感情や個性や自由などを尊重しました。

白雪姫+ロマン主義

自然との一体感や神秘的な体験や無限への憧れを表現しました。文学や絵画や音楽などさまざまな分野に及びました。

 

参考:Romanticism - Google 検索

 

写実主義

写実主義 (Realism)とは現実をありのままに再現しようとする美術や文学の様式で、19世紀フランスで文学や美術の分野で広がった芸術様式です。

白雪姫+写実主義

理想や非現実に目を向けるのではなく、もっと現実に目を向けようとする動きが写実主義です。

 

参考:Realism - Google 検索

 

印象派

印象派絵画 (Impressionist) とは19世紀後半のフランスで発展した絵画のことです。印象派絵画は、風景や人物などを光の変化を表現しながら、その場の空気感を捉え印象として描いているのが大きな特徴です。

白雪姫+印象派

印象派絵画では明るく鮮やかな色彩を用いて、陽気で快楽的な雰囲気を作り出しています。細部ではなく全体的な視覚的効果を狙って混色と原色の絵の具による短い断続的なストロークを並べて、あざやかな色彩をそれが振動しているかのように変化させています。

今回の白雪姫の絵のなかで、この絵が個人的に一番好きです。細かい部分を消してくれるのでAIの絵と印象派絵画は相性が良さそうです。

 

参考:Impressionist - Google 検索

 

ジャポニズム

ジャポニズム (Japonism) とは、19世紀後半にヨーロッパで流行した日本趣味のことです。日本の美術工芸品や浮世絵が西洋の芸術家に大きな影響を与えました。この言葉は、フランスの美術評論家フィリップ・ビュルティが1872年に使ったのが最初とされます。

白雪姫+ジャポニズム

参考:Japonism art - Google 検索

 

最後に

こうやって美術史を眺めていると「融合と否定」を繰り返しているように思います。技術・技巧的なところは他の様式を取り入れ発展してていき、表現手法は過去を否定し独自性を見出す。その繰り返しで流れているような気がします。

 

ここに記載したのは19世紀ぐらいまでです。これ以降、20世紀の表現主義、キュビズム、さらには21世紀美術につながって行くのですが、この後はあるカテゴリーでまとめるというより「個の特徴」がより強くなっていくように思います。21世紀美術までつなげたいと思っているので、またそのうち後編としてまとめようと思います。

 

それでは、またー

 

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