THE TIME YOU ENJOY WASTING IS NOT WASTED TIME

テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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バレエ「The Sleeping Beauty」を観てきた。

 

 

はじめに

今日はバレエ「The Sleeping Beauty」(眠れる森の美女)を観てきたので、それについて記録しておこうと思います。先週はオペラ「カルメン」、今週はバレエ「The Sleeping Beauty」、Austinってなんて素敵な街なんでしょ。

 

ちなみに「The Sleeping Beauty」には「カルメン」のように特別な思い入れがあるわけではないです。若い頃にちょい役でステージで踊ったこともありません。見たことないから、このチャンスに見ておこうと思い行ってきました。

 

 

The Sleeping Beautyとは

知っているようで知らないバレエ「The Sleeping Beauty」の物語。以下に簡単におさらいしておきます。

 

チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽、及びその楽曲を用いたバレエ作品です。同じくチャイコフスキーが作曲したバレエ音楽『白鳥の湖』『くるみ割り人形』と共に「3大バレエ」と呼ばれています。初演は1890年(日本の明治23年)にロシアにて。

 

私はこれで3大のうち「くるみ割り人形」と「The Sleeping Beauty」を観たので、あと残すは「白鳥の湖」です。これもいつかは観ないと、私の中で「白鳥の湖」と聞くと白鳥の格好した志村けんが出てきてしまいます。まぁ、これはこれでいいんだけど。

 

主な登場人物
オーロラ姫 :国王夫妻の間に生まれた王女。
カラボス:悪の妖精。オーロラ姫に死の呪いをかける。
リラ:善の妖精。カラボスの呪いを弱めオーロラ姫を眠りにつかせる。
デジレ王子:オーロラ姫を目覚めさせ、結婚する王子。

ディズニー映画『マレフィセント』(Maleficent)はこのカラボスのことです。カラボスが主役で、カラボス目線で物語が描かれています。私は観てないのですが、今めっちゃ観たくなってます。

 

あらすじ:

プロローグ:オーロラ姫の誕生を祝うため、国王は6人の妖精を招待する。しかし、悪の妖精「カラボス」は自分が招待されなかったことに怒り狂い、オーロラ姫に呪いをかける。姫を今すぐどうこうするのではなく「オーロラ姫は16歳の誕生日に死ぬだろう」と16年後に呪いが発動するという嫌らしい呪いをかける。

しかし、善の妖精であるリラが「カラボスの呪いを消し去ることはできないが、弱めることはできる。姫は死ぬ代わりに眠りにつき100年後に王子の口づけによって目覚めるだろう」と告げる。

 

1幕:姫の16歳の誕生日が盛大に祝われている。4人の求婚者が現れ、彼らと踊る。カラボスが老婆に扮装して、姫に花束をプレゼントする。そこに仕込まれた紡錘に刺さり、倒れてしまう。カラボスは勝ち誇って去っていく。しかし、実際はリラの精のおかげで死んではおらず100年の眠りに落ちた。

 

▼求婚者と順番に踊るRose Adagioと言われるところ


「呪い」と言いながら「紡錘が刺さる」という物理攻撃に変わっているのですが、そこはそっとしておきましょう。ちなみに紡錘とは糸をつむぐコマのこと。あれにどう刺さるのか分かりませんが、確かに紡錘を手に持ってました。

 

2幕:100年後。デジレ王子の一行が森へ狩りにやってくる。そこへリラの精が現れ、デジレ王子をオーロラ姫のところに連れていく。王子は姫の美しさの虜となり、口づけによって姫を目覚めさせる。

見た目の美しさだけで、虜になっちゃって口づけするような王子で本当によかったんでしょうか?もっと中身を知ってからでないと。。。などという無粋なことは言わずにおきましょう。

 

3幕:オーロラ姫とデジレ王子の結婚式が盛大に催される。式には様々な童話の主人公たちが招かれており、長靴をはいた猫と白い猫、赤ずきんと狼、フロリナ王女と青い鳥などがそれぞれ個性的な踊りを披露する。人々が祝福する中、オーロラ姫とデジレ王子がグラン・パ・ド・ドゥ(男女の踊りのこと)を踊り、物語は幕を閉じる。

 

といったストーリーです。カラボスは招待しなかった国王を呪うのではなく、生まれてきた姫に呪いをかけるんですね。しかも、人魚姫のように「声を奪う」とか今すぐ何か起こる呪いではなく「16年後に死ぬ」という嫌らしい宣告。さすが悪の妖精。親が何が一番辛いのかよく知ってる。

 

▼Ballet Austinによる今回のバレエの紹介動画

 

Ballet Austinによるバレエ

会場は先週「カルメン」を鑑賞した劇場と同じ劇場、The Long Center for the Performing Artsです。先週カルメンが叫んでた舞台と同じ舞台で、今週はオーロラ姫が寝てます。先週は2拍子で、今週は3拍子。拍子が変わると雰囲気もガラッと変わりますね。

今週末もお天気悪め。最近ずっとこんなお天気。

私はこれまでプロのバレエは「くるみ割り人形」しか見たことがないのですが、それと比較してバレエの見せ場はこっちの方が多いです。「くるみ割り人形」の1幕は音楽は美しいし、みんなでクリスマスを祝う踊りも楽しいのですが、1幕にがっつり魅せるバレエはそんなに無いんです。

「カルメン」は年配のお客さんが多かったけど、今日は娘さんを連れたご家族が多かったです。

その点、「The Sleeping Beauty」はプロローグから最後までかなりの頻度で魅せるバレエが出てきます。逆に音楽で「これ知ってる!」っていう曲は出てこないです(私基準)。1幕の誕生日を祝う曲は聞いたことあるかなー、ぐらいで他は知りませんでした。

 

特に面白いのが3幕。上にも書きましたが3幕ではいろんな童話の主人公が現れます。長靴をはいた猫。赤ずきんちゃん。青い鳥など。なぜかと言うと「眠れる森の美女」も含めて、これらは全てシャルルペローの童話集に載っている作品なのです。

 

▼白猫と長靴を履いた猫のダンス。めっちゃ可愛い。

 

つまり、「眠れる森の美女」はシャルルペローの童話を原作として作られたバレエで、三幕では同じシャルルペローの他の童話の主人公が登場する、という作りになってます。この遊び心がいいですね。

 

まるでマーベルヒーローが集結するアベンジャーズのようです。「眠れる森の美女」第三幕はバレエ版「アベンジャーズ」と言えましょう。

 

シンデレラもペロー童話集に載ってる物語なのですが、「結婚式に呼んでもらえなかった」と怒り狂ってなければいいのですが。

 

▼こちらは赤ずきんちゃんと狼のダンス。

 

こういうバレエのストーリーと直接関係ない登場人物が踊ることをバレエの世界では「divertissement, ディベルティスマン」(余興という意味)というようです。「くるみ割り人形」第2幕のお菓子の国でフランスや中国などのお菓子の人形たちが踊る場面があるのですが、それもディベルティスマンに当たるそうです。

 

▼終盤の姫と王子のグラン・パ・ド・ドゥ。ここからエンディングまでは圧巻。

 

最後に

今日このバレエを見たのが5月12日(日)なのですが、明日13日、急遽仕事で日本に出張に行くことになってしまいました。家族に会うこともなく仕事が終わったら米国にトンボ帰りですが。

 

なので本当は今日は家でゆっくり過ごしたかったのですが、バレエのチケットは数ヶ月前に取ってたので行ってきました。今、夜の10時。早く寝ないと。明日は4時起きです。でも今まだ眠くないです。

 

妖精リラに眠りに落ちる魔法かけてもらいたいです。そして出張スキップして一週間後に誰かの口づけで目覚めたいです…

 

それでは、またー