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テキサス州オースティン在住の単身赴任者の記録

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新ビールアイテム『keg (ケグ) 』登場!

(Image Creatorにて作成)

 

 

はじめに

私のブログで定期的に登場するビールネタです。3回目の自家製ビール(クラフトビール)作りが終了したので、備忘録兼ねて報告です。

 

⇩前回の報告はコチラ

 

Hefeweizen

今回クラフトビールに選んだのはドイツビールのhefeweizen(ヘーフェヴァイツェン)です。US Amazonから1ガロン用のレシピキットを購入しました。

 

⇩US Amazonのサイトから。一箱1ガロン作れて$20です。

 

過去2回と今回3回目の1番の違いは、ビールの炭酸化にナチュラルカーボネーションではなく強制カーボネーションができるkeg(ケグ)を採用したことですが、その詳細は後ほど。

 

ドイツビール hefeweizen、左:外箱、右:内容物

今回選んだhefeweizen、hefeはドイツ語で酵母、weizenは小麦を意味するそうです。通常ビールは大麦を使用するのですが、hefeweizenは小麦と大麦のミックスです。

 

これまではエールの中でも比較的味がしっかりしたIPAやペールエールを作ってきたので、今回はエールの中でもドライなhefeweizenを選んでみました。

 

ラガーとエールの違い

ビールは大別すると「ラガー」と「エール」の2種類に分けられます。発酵させるときに使用する酵母(イースト菌)に違いがあります。またその酵母の違いから発酵に適した温度が異なります。

 

ラガーは発酵時の温度が低い(10℃以下)です。エールは温度が高い(15℃以上)です。日本で大手ビールメーカが出しているビールは基本ラガーです。低温で発酵するので、菌(イースト菌ではない悪い菌)が繁殖しにくく大量生産に向いています。エールは発酵時の温度が高く、菌が繁殖するリスクがあるため、管理が大変で大量生産には向いていません。

 

一般的には、ラガーよりエールの方が香りや味に変化を付けやすいです。スッキリで喉越し爽やかなラガーに対して、香り豊かで味が濃いのがエールです。小規模クラフトビールメーカは主にエールを作り、独自性を出しています。エールは大量生産には向いてない一方で、味の差別化がしやすいのです。

 

今回選んだhefeweizenもエールです。バナナの風味を持つことを特徴にしています。しかし、全体的にはドライな味なので、エールだけどラガーよりの味と言えるでしょう。

 

一次発酵

一次発酵完了までの工程を簡単に。麦汁を沸騰させた後、一気に23℃程度まで冷却させる必要があります。室温より低い温度なので、工夫しないとなかなか下がりません。

 

前回よりジップロックに氷を入れて、それを麦汁の中に浸けるという技を使っています。これにより、かなり時間短縮が可能になりました。ゆっくり冷却すると望ましくない理由は、菌が混入し繁殖するリスクが高くなるので、なるべく早く冷却することが肝心なのです。

 

麦汁の冷却

そして、23℃以下まで冷却できれば、イースト菌を投入します。初めて自分でビールを作ったとき、イースト菌を入れても発酵が開始されなかったので、毎回発酵の開始を確認するまで、ドキドキします。今回も翌日には活発に発酵を開始していました。

 

以下の動画は翌日の様子です。ポコポコ出てるのが、発酵の結果、生産される二酸化炭素です。夏場は部屋の温度が高くなりすぎるので、私が不在で部屋のエアコンを切っている間は、クーラバックにジップロックに入れた氷と一緒にcarboyを置いておきました。

 

 

ケグ登場

これまでと今回のビール作りの1番の違いは、keg(ケグ)を導入したことです。ケグとはビールを貯蔵するための容器のことです。貯蔵するだけでなく、二酸化炭素のボトルを取り付け、一次発酵が終わった若ビールに強制的に炭酸を入れることができます。

 

⇩買ったのはコレ。GrowlerWerks社のUkeg 128というやつ。$170するのでまあまあ高い。でも日本で同じの買うこと思えば、だいぶ割安。

uKeg 128www.growlerwerks.com

 

carboyからkegに若ビールを移したところ

 

今まで、ボトル詰めした若ビールにプライミングシュガーを混ぜて二次発酵させることにより炭酸化(ナチュラルカーボネーション)してました。しかし、このやり方だとどうも炭酸強度が不安定なので、今回からケグによる強制カーボネーションを導入しました。ただし、ケグごと冷蔵庫に入れないとビールを冷やせないので、冷蔵庫にそれなりのスペースは必要になります。

 

冷蔵庫の中のケグ。私の冷蔵庫は酒専用冷却マシーンになってます。食材が入ることはほぼありません。

 

これで問題解決と思われたケグですが、私は一点勘違いしていました。ケグにビールを入れて、炭酸ボトルを取り付ければ、ビールに炭酸を注入できるので、ケグに入れた瞬間から泡の出るビールを出せると思っていました。

 

しかし、炭酸はゆっくり時間をかけてビールの中に入っていくようで、圧(13〜15psi)をかけたまま1週間程度、維持する必要がありました。

 

ケグに入れて半日冷やした後にグラスに注いでみたところ。写真では、多少泡が出てるけど、飲んでも炭酸を感じませんでした。

 

ケグに付属の説明書。頻繁にグルグル回したら、2,3日で炭酸化できる、と書いてました。次回はグルグル回してみよう。

 

Brixが13.0%から6.2%だったので、アルコール度に換算するとちょうど4.0%のアルコール度でした。説明書には5.5%と書いてあったんですけどね。やはり部屋の温度が高くて、十分に発酵が進まなかったのかもしれません。

 

試飲会

ケグに保管してから1週間が経過した今日金曜日、会社で私がビール作りにハマっているということを知った同僚(アメリカ人)が、『俺のお薦めのワイン持ってくるから、お前が作ってるビールも飲んでみたいな』って言うので、会社に持っていきました。

 

金曜日の午後って、アメリカはもう一足早く週末ですからね。会社でちょっと飲むぐらい全然OKなんです。たぶん。そんなことより、ちゃんと炭酸入ってるか少し心配だったのですが、大丈夫でした。

 

ケグに入れて1週間たったビール。飲んだらしっかり炭酸を感じます。

 

Jさんが用意してくれたワイン。これらも美味しかったです。

7、8人で飲んだのですが、ビールも好評でした。Jさん、今日は購入したワインですが、話聞いてると自分でワイン作りもやっているそうです。しかも、ブドウ農園で収穫するところからやっているそうです。今週末にボトルに詰めるねん、って言ってました。そのうち、作ったワインを持ってくる、とも。楽しみですね。

 

この日は、みんな十分酔いを冷ませてから、帰宅しています。

 

正解との比較

hefeweizenは過去に飲んだことはあるのですが、長らく飲んでないので、自分で作ったやつがどの程度hefeweizenなのか判断が付きません。

 

しかし、AustinにはLive Oak Brewing Companyというブリュワリーがあり、このブリュワリーはhefeweizenタイプのビールを販売しています。なので、自分のビールと比較するために、買ってきて飲んでみました。

 

Live Oak Brewing Companyのhefeweizen

うーん、やっぱり自分のやつより美味しい、、、かな。hefeweizenはバナナの風味がするのが1番の特徴なのですが、はっきりとバナナ風味を感じます。私のはバナナ風味があると思ってましたが、これと比べると弱いです。

 

まぁ、hefeweizenの土俵では、市販のやつには負けてるかもしれませんが、それでも十分美味しいんですよ。日本の大手のラガーには味で勝ってると思います!

 

最後に

私の持っている道具じゃ、一度に1ガロン(4リットル弱)しか作れないのに、今日会社に持っていってしまったから、ほとんど無くなってしまいました。

 

飲めるようになるまでに少なくとも3週間かかるのに。やっぱり1ガロンじゃ、割りに合わないような気がする。だからといって、ビール作るためだけに、これ以上でかい鍋やcarboyを買うわけにもいかないですしね〜

 

それでは、またー

 

 

過去のビール作り記事もよろしければ、どうぞ。

 

⇩ビール作りを始めるきっかけとなったビール作り見学

 

⇩そして、自分でやってみた

 

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7月21日追記

ケグに入れて11日が経過しました。炭酸も味も当初より馴染んできたように思います。SodaStreamのように直接炭酸を吹き込んでいるわけではなく、炭酸の圧で押さえつけてるだけなので、馴染むのに多少の時間が必要な模様。多少時間はかかりますが、このレベルのものが個人で作れるってことに満足してます。

 

ケグに入れて11日経過した状態