THE TIME YOU ENJOY WASTING IS NOT WASTED TIME

テキサス州オースティン在住の駐在員。無駄な時間も楽しく過ごせば、無駄な時間じゃない!

自家製ビール作りを見学した

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はじめに

この週末、ブログでお知り合いになったAustin在住のPmayさんのお家にお招きいただいて、お昼ご飯をご馳走になり、ご主人のビール作りにご一緒させていただきました。

 

ご主人はビール作りを趣味にされているそうです。パンデミック後は作る頻度が減ったと言われてましたが、それでも月1ぐらいで作られているそうです。今回は、そこにお邪魔させていただいて、ビール作りを勉強させて頂きました。

 

 

日米の違い

当然のことながら、私にとっては初めてのビール作りです。

 

日本でも自家製ビールセットは普通に売られていますが、酒税法上アルコール度数が1%以上の飲料を許可なく作ることはできないので、セットに記載の手順通りにまじめに作ると、ビールとは言えないビールが醸造されます。

⇩日本で買えるやつは、例えば、こんなやつ。

 

本当に1%未満で作ってる人なんていないと思うので、日本はお酒といい、賭博といい、風俗といい、表向きの規制はめちゃめちゃ厳しいけど、実態は…って感じですね。

 

米国では、州によって規制は異なるようですが、テキサス州では15%以下のアルコール度数で、なおかつ販売しなければ、個人でライセンス無しで作れます。蒸留酒は作れないけど、醸造酒なら作っていいってことなんですかね。

 

ビール作りの手順(一次発酵まで)

ご主人のビール作りはかなり本格的でした。複数種類の穀物(grain)を調合するところから始まりました。Pilsner, Pale, Flaked Barleyなど5種類ぐらいの穀物をレシピ通りにそれぞれ重量を量り、混合しました。私がIPAを希望したので、それ用の穀物を用意してくださってたようです。

 

次に、調合した穀物をミルで挽きます。Flaked Barleyはミルで挽かないようで、他の穀物を挽いた後で調合しました。挽かれた穀物を樽(Mash Tun)に入れ、そこに湯を注ぎ入れます。時折かき混ぜながら、約1時間ほど寝かせます。

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挽かれた穀物と湯をかき混ぜてるところ

 

寝かせた後、樽の底から液体を抽出し、8ガロン入るでっかい鍋(Brew Pot)に移し替えます。これが麦汁(wort)です。初めて麦汁を飲みましたが、甘い麦茶という感じでビール感はなかったです。美味しくはないけど、健康に良さそうっていう味でした。

 

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麦汁の抽出

次に、この麦汁を沸騰させて、何度かに分けてホップを投入します。ホップも3種類用意されており、タイミングを分けて入れられてました。ホップは蕾のような形をしてるのかと思ってましたが、ペレット状でした。

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ホップのペレットが入ってる袋。道の駅の野菜みたいに生産者の顔と名前が載ってます。

ホップの袋にはアルファ酸(Alpha Acid)なる数値が%で記載されています。この%が高いホップを投入するほど、苦味が強いビールになるそうです。

また、ビールの香りにも影響があるようで、複数種類のホップをタイミングをずらせて混ぜることで、香りが豊かになると言われてました。

実際、熱せられた麦汁にホップを投入した瞬間に、それまでほとんど香りがなかった麦汁から、一気にビールっぽいいい香りが立ちます。

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ホップを入れた直後の麦汁。緑色がホップの成分。

 

最後に火を止めてIrish mossをひとつまみ入れます。Irish mossとは、海藻の一種らしいのですが、見た目はお茶っ葉のようなものです。混濁した麦汁から不純物を速やかに沈殿させる作用があるそうです。

 

私は時間を測ってなかったですが、ご主人は熱している時間およびその間の温度をマメにチェックされていました。

この工程以降は、麦汁にバイ菌が触れることが致命的になるとのことで、麦汁に触れるあらゆるものを念入りにアルコール消毒されてました。

ご主人曰くビール作りで大事なのは「待つことと消毒」とのことです。

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麦汁を冷却してるところ

冷却には真鍮製のぐるぐるパイプ(wort chiller)を麦汁に沈め、そこに水を流すことで、冷却速度を早めます。もちろん沈める前に念入りに消毒します。

ある温度まで冷却が完了したら、でっかいガラス製のボトルに移し替えました。この移し替えるときは、空気(酸素)に触れさせることが重要とのことで、漏斗を使って空気と触れる面積を広くして流し込みました。

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ガラス製のボトルに移し替えたところ。このボトルで一次発酵を行う。

 

最後に、この原液にイースト菌を流し込んで、蓋をしてこの日の工程が終了です。蓋はTwin Bubble Airlockと言われるものです。特徴的な形状をしていますが、発酵過程で生成された二酸化炭素は外に排出することができますが、外から空気が入ってこれない構造になっています。

イースト菌は粉末のものと液体のものとがあるらしいのですが、両方試した結果、液体のほうが味はよかったとのことでした。

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イースト菌を入れ、蓋をしたところ


この後は約1ヶ月間の発酵(fermentation)期間になります。一次発酵と二次発酵があるそうなのですが、これは次回ご主人にお会いしたときに、またいろいろ教えていただこうと思ってます。
 

ビール作りとは

ここまで読んで頂いた方は、おわかりいただけると思うのですが、ビール作りはまるで化学の実験です。私は対象物問わず、工場見学大好き人間なので、このミニプラントを見学させてもらって、ほんとに楽しかったです。

 

自家製ビール作りの素材に使われるのは、穀物、ホップ、イースト菌(自然界にいる細菌)だけです。自然にあるものだけで、こうやってビールを作る過程を目の当たりにすると、人間の英智を感じずにはいられません。きっと何千回、何万回と人間が試行錯誤を繰り返して、この工程に行きついているのだと思うのですが、そう考えながらビールを飲むと一層味が引き立つかもしれませんね。

 

私は小さなアパートに住んでいるので、ここまで本格的なビール作りはできませんが、US Amazonを覗いてみると、キッチンでできる自家製ビールキットもいろいろ売られているので、一度買ってみようと思います。

 

⇩例えば、こんなやつ。

 

またAmazonでなくても私が住むAustinにはAustin Homebrew Supplyという個人でビールを作る人のためのあらゆる機材を扱っているお店があるようなので、この店も一度覗いてみようと思っています。

https://www.austinhomebrew.com/

 

なにせ米国に住んでいる間は、1%縛りがないですからね。今のうちにノウハウ蓄えて、日本に帰ったらマイクロブリュワリーでも開きますかねー。出すお料理はザリガニで。実現できたら、絶対当たるでしょ、コレ。
 

最後に

こちらは、お昼にご馳走になった鰻丼です。米国に来てはじめて鰻たべました。とても美味しかったです。自分でこのレベルのものを作ることは一生ないです。

 

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米国来て初めて鰻を頂きました。

 

帰りにはお惣菜もいっぱいいただきました。あと鰻のタレも。帰ってからキッチンで広げると、なかなかの迫力でした〜

 

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私のアパートが小料理屋のカウンターみたいに。

Pmayさんご夫妻、本当にありがとうございましたー!!

 

 

⇩将来マイクロブリュワリーを開いた時に提供するザリガニ料理はこんなイメージ

atx-domain.com

 

それでは、またー